■春雪は疲れる…… なら午後は観光はいかが?

雪国の春は遅い。タイミング次第では桜や色づく世界に出会える

 春の柔らかい雪は一見滑りやすそうに見えますが、実は体力を消耗しやすいもの。朝一番は少し締まっていても、気温の上昇とともにすぐにザクザクに。どんどん水分を含んでいく春雪は、滑っているうちに足を取られがちで、いつも以上に脚力を使います。

 日中は太陽が出ていれば半袖でも滑れるほど暖かくなりますが、水分を含んだ雪に板が沈みやすく、思った以上に疲れることも。実際、スキーヤー・スノーボーダーの中には「午前中のコンディションが良い時間帯だけ滑る」という人も少なくありません。

 だからこそ、春スキーは「午前中だけ滑って、午後は観光」という選択も正解。体力を温存しながら、観光やグルメも楽しめる「欲張りプラン」を満喫してみてはいかがでしょうか。

●【利根沼田エリア】群馬の味覚と自然を満喫

沼田とんかつ街道「まるきち」でブランド豚に舌鼓

 午前中にたんばらスキーパークや丸沼高原で滑った後は、群馬の魅力を体感しましょう。

 お買い物なら「道の駅 田園プラザ川場」へ。関東の道の駅人気ランキングでも常に上位に入る人気スポットで、地元の新鮮野菜や春の山菜が手に入ります。レストランでは群馬名物の焼きまんじゅうや、川場村産の食材を使った料理が楽しめます。

 お腹が空いているなら「沼田とんかつ街道」もおすすめ。実は沼田市はとんかつの激戦区。揚げたてサクサクのとんかつでスタミナをチャージできます。

 疲れた体は日帰り温泉で癒しましょう。「道の駅 白沢」に併設された温泉施設「望郷の湯」や、老神温泉の日帰り入浴施設など、選択肢も豊富です。

 時間があれば「吹割の滝」へ。東洋のナイアガラとも呼ばれる名瀑で、春は雪解け水で水量が増し、迫力満点の景色が楽しめます。

【湯沢エリア】越後の温泉と酒を楽しむ

越後湯沢温泉街は、雪国ならではの風情が漂う

 かぐらスキー場やGALA湯沢スキー場で滑った後は、越後湯沢の魅力を堪能しましょう。

 越後湯沢温泉街には数多くの日帰り温泉施設があり、「山の湯」「駒子の湯」など、気軽に立ち寄れる温泉が点在。疲れた体をゆっくりと癒せます。

 ランチは新潟名物のへぎそばがおすすめ。海藻をつなぎに使ったツルツルとした食感が特徴で、滑走後の体に優しい一品です。がっつり食べたいなら人参亭で越後のもち豚のとんかつを堪能しましょう。南魚沼産コシヒカリが食を進めます。

 温泉街には酒蔵見学ができる施設もあり、「ぽんしゅ館」では新潟の地酒の利き酒も楽しめます。おやつには笹団子を。もちもちの食感と甘さが疲れた体に染み渡ります。

 「道の駅 みつまた」では、春の山菜や地元の特産品をお土産に。時期によってはふきのとうやこごみ、タラの芽など、春の味覚が並びます。

 春は「滑る+観光+グルメ」の三拍子。午前中だけ滑って、午後は地域の魅力を満喫する。これも春スキー・スノーボード旅行の醍醐味です。

【春スキーの注意点】
・日焼け対策は必須(日焼け止め、サングラス
・気温差に対応できる服装を(朝晩は冷え込むことも)
・雪のコンディションは午前中が良好、午後は重くなりやすい

 春のスキー場は、「がっつり滑る」も「滑りすぎない」もどちらも正解。雪が柔らかいからとことん挑戦も、重たい雪で疲れる前に切り上げて、午後は観光を楽しむ。それも春スキー・スノーボードの楽しみ方です。春スキー・スノーボードは、冬と違って日も長く、滑るだけでなく観光やグルメも楽しめるのが魅力です。無理せず、自分なりのスタイルで楽しんでみてはいかがでしょうか。