コンスタントな降雪により、3月終盤までパウダースノーを楽しめた今シーズン。雪山シーズンも終盤に入り、あとは桜の開花を待つばかりだ。

 けれど残雪きらめく雪山の雪もいつかは消えてしまうもの。スノーフリークなら「心に残るシュプールを描けるところはないだろうか」と考えてしまうのではないだろうか。そんな場所が東北、秋田にある。東北のとある名山を訪ねた山旅の記録。

■たおやかな東北の名山、森吉山でピステンツアー

懐深い森吉山の大斜面を滑る

 森吉山は秋田県北秋田市にある山で、標高は約1,450m。夏は花の百名山、冬は日本三大樹氷の一つに選ばれている。とても奥深い山で、阿仁マタギや秋田犬など狩猟にまつわる文化の色が残る人気の山だ。

 その阿仁スキー場が4月1日から平日、ピステンツアーを営業中とのこと。1日3便、子ども料金も設定され、登山や山スキー以外でも観光目的でピステン(雪上車)に乗って、手軽に森吉山を散策することもできる。雪がなくなり走行不能になったら終了とのことなので、山の計画はお早めに。情報は随時要チェックだ。

 昨年は、少雪も然ることながらピステンが故障し、残念ながら早い段階で終了してしまった。土日はゴンドラとリフト、ゲレンデも営業するのでホームページなどマメにチェックしてみてほしい。

阿仁スキー場:https://www.aniski.jp/mtmoriyoshi/juhyo/

■週末はスキー場、平日はピステンツアー! 服装と装備は?

 4月上旬、快晴だが独立峰ということもあり、ときおり吹く風は強く冷たい。ファーストレイヤー、化繊のベスト、シェルジャケットで行動中は十分だったが、バックパックダウンジャケットは用意しておきたい。

悪天候になれば山は再び厳冬期に。準備は万全にしたい

 今回は、天候が良ければ山頂を踏みたいと思っていたので、通常のBC装備に加えて、大型ツェルトアイゼンを付け加えておいた。スキーや登山をしない散策の方でも、低気圧が来れば山はまだまだ厳冬期のような寒さになる。暖かめのジャケットなど防寒対策は十分に準備をしておきたい。