メジャーなスノーリゾートエリアから離れた場所でひっそりと営業しているような、リフトが2〜3本程度の規模の小さなローカルスキー場。子ども時代や初心者の頃に訪れて以来、ご無沙汰している人も多いのではないでしょうか。

 ロングランこそ望めないものの、貸し切りのパウダースノーを満喫できたり、ローカルフードに舌鼓を打ったりと、意外なほど楽しい「行ってみたらこんな発見があった」的な魅力を伝えていきます。

■高山市の山奥、リフト一本で営業を続けるスキー場 「平日の1日券は1,040円」

雪道をひた走りたどり着くスキー場。まとまった降雪の後は少し遅めに行った方が除雪もしっかりされています

 飛騨高山スキー場はその名の通り、岐阜県高山市の山深い場所にあるスキー場です。

 過去には上部にシングルリフトもあり、斜度のあるパウダー滑走が楽しめたそうですが、営業を中止。さらに2020年7月に斜面が崩れ、メインの「高速ペアリフト」の乗り場が土砂に埋まってしまい、営業が不可能になってしまったそう。そんな訳で「もみの木ペアリフト」1本で営業をしているのです。

センターハウスでリフト券を買ったらリフト乗り場へ。慌てなくてもパウダー競争はありません

 その分、ただでさえ割安感のあったリフト料金が大幅に値下げされて、なんと驚愕の1日券(平日)1,040円! 昨今の物価高、軒並み値上げされるリフト料金が多いなか、このプライスには脱帽です。

【リフト料金】                                               平日:大人・小人・シニア 1,040円                                    土日祝日:大人1,880円、小人1,040円、シニア1,460円。他、親・子どもパスや回数券などあり。

■雪質は折り紙付き! タイミング良ければパウダー滑り放題

降雪翌日の晴れ! 最高のシチュエーションです

 スキー場のベースの標高は1,350mで、一般的なファミリースキー場として捉えるとかなり高いといえるでしょう。さらに内陸部という立地も手伝い、乾いた雪質が売りのひとつとなっています。

しっかりと整備されたバーンはタイミング次第で貸し切りでした

 取材日は平日ということもあって、ゲレンデ内には数えるほどしか滑っている人はいません。リフト下、きっちりと整えられた圧雪バーンには数本のシュプールが刻まれているものの、整ったコーデュロイ模様がくっきりと残っています。

幅広いコースには午後になっても上質なパウダースノーが残っていました

 まずはお目当てのパウダースノーを味わいます。まとまった降雪から一日経っていたのですが、非圧雪部分の雪は程よい軽さを保っており、気持ちよくスプレー(雪煙)を上げながらの滑走を楽しめます。競争率は極端に低く、ことパウダーに関しては貸し切りといってもいいでしょう。