クリスマス直前に訪れた今季一番の最強寒波は、各地に大雪をもたらしています。一気に増えた積雪は交通や生活に障害を及ぼし、除雪作業に追われている地域も多いようです。一方でこの降雪を心待ちにしていたのがスキー場とスキーヤー、スノーボーダーたちです。今回の降雪のおかげでオープンに漕ぎつけた長野、新潟の県境にあるスキー場を訪ねてきました。
■実は積雪がほとんどなかった長野県
何度も夏日を記録したような暖かい秋が終わり、冷え込みが厳しくなったかと思うと雪が降り出しました。記録的な積雪量となっている地域もあります。暖冬ゆえの日本海の海水温の高さが大量降雪の一因となっているようです。
山岳県、長野県は北部を中心に数多くのスキー場があることでも有名ですが、実はこれまであまり降雪がありませんでした。北海道や東北、北陸、ときに中国や九州でも降雪があったようなタイミングでさえ、「雪が積もったところも……」と県内のニュースで報じられる程度。まとまった降雪に恵まれ、11月にいち早くオープンできたところも、その後雪が続かず、さらに12月に入っても暖かい日が続いていたためにコースコンディションの維持が難しく、一度クローズしてしまっていたスキー場もありました。ほとんどの場所で“雪不足”だったのです。
■「雪が欲しい」 切実な長野県内のスキー場事情
この時期、雪が降らないと困るのがスキー場です。山がちな日本は、わずかな距離でも立地条件によって積雪量は大きく異なります。わずかな地形の違いが明暗を分けることも珍しくありません。寒波に期待を寄せるも“肩透かし”をくらったスキー場は多かったでしょう。長野県北部、飯山市にある「斑尾高原スキー場」。新潟県との境に位置し、隣接する「タングラムスキーサーカス」とも繋がっています(通常時)。当初は今月16日にオープンを予定していたのですが、降雪に恵まれずに延期していました。
22日の夕方から本降りになった雪はぐんぐんと勢いを増し、県北部を中心に大雪となりました。斑尾高原スキー場では一晩(17時〜翌5時)で約50cmに達したそうです。今シーズン一番の積雪に、スキー場のスタッフは皆安堵の表情を浮かべていました。
※気になるアクセスですが、スキー場へ上がる山道の除雪体制も申し分なく、早朝からしっかりと除雪されていました。とはいえ雪道ですので、スタッドレスタイヤ等、冬道走行への準備は必要です。