■三毛猫の駅長「たま」で有名な貴志駅

 その後、山東(さんどう)駅、大池(おいけ)遊園駅、西山口駅、甘露寺前駅を通過し、終点が貴志駅だ。貴志駅といえば、有名なのが三毛猫の駅長「たま」である。たまは貴志川線の話題づくりや乗客数増加へ大きく貢献するも、2015年に永眠。駅長を引き継いだのがニタマだ。

 神社やネコ駅長のほかにも、沿線にはサクラやツツジの名所である大池遊園や県内の6割が集中する古墳など見どころが多い。また、カラフルな外観と内装にも凝ったリニューアル列車を走らせるなど、話題づくりにもこと欠かない。なお、和歌山駅から貴志駅までの運賃は410円だが、乗り放題の1日乗車券が800円で販売されているので、両駅間を往復するのなら、こちらの方がおトクとなっている。

 貴志駅の駅舎は、2010年の駅舎建て替えの際に、たまをモチーフにした外観とされた。無人駅だが、構内には地元特産の果物のジュースやジェラートを販売する「たまカフェ」が設けられている。

■kishi_sta 貴志駅の駅舎

 貴志駅構内には歴代たまの写真が飾られている。現在、ニタマが貴志駅駅長、よんたまが伊太祈曽駅駅長に就任。本来は岡山で訓練を受けていたSUNたまたまが伊太祈曽駅駅長に就任する予定だったが、親代わりの担当者が手放すことをいやがったため、よんたまが抜擢されたという。

■Tama 貴志駅構内にある歴代たまの写真。左からたま、ニタマ、SUNたまたま、よんたま

 よんたま駅長は、ニタマ同様、常に姿を見せるわけではなく、駅長室の中で執務をしていることも多い。

■4tama 伊太祈曽駅で勤務中のよんたま駅長