■第三セクターが建築し、南海が運行

 1971年に開業した泉北高速鉄道線(泉北高速線)だが、工事が計画されたのは泉北ニュータウンの開発計画と同じ1965年のこと。当初は既存路線の延伸が検討され、いくつかの候補から南海高野線への建設委託が選ばれた。

 しかし南海はこの要請を拒否。当時は高架化事業などで南海に資金的な余裕がなく、路線建設まですると採算性が取れないためだ。

 そのため大阪府は第三セクターの大阪府都市開発(OTK)が路線を建設し、南海が運行を受け持つ形で1969年に合意した。泉北ニュータウンへの入居が始まった翌年のことである。

 1987年に鉄道法令の改正でOTKが運行も担うようになる。しかし2009年、大阪府のOTK民営化方針により、鉄道路線は南海への売却が決定。2014年には社名を「株式会社泉北高速鉄道」に変更し、南海の子会社となっている。