■池のほとりの高台に鎮座する名次神社

 終戦を間近に控えた1945年5月から8月にかけて、西宮市は5回の空襲に見舞われた。その半世紀後の1995年1月17日、今度は巨大地震に襲われる。阪神淡路大震災である。この両方に関係する施設が、苦楽園口駅の東側にあるという。

 夙川を渡って住宅街を歩けば、小さなカフェやイタリアンレストラン、ベーカリーショップなどが点在しているのに気づく。高級住宅地といった印象はさほど感じられないにせよ、オシャレで閑静な雰囲気だ。

 そんな街中を抜けると、目の前には「ニテコ池」という池がひろがっている。

南北で区切られているニテコ池

 池の前の丘の上には神社があって名次神社という。

名次神社の社殿

 創建年は不詳だが平安時代の「延喜式」に名が見え、主祭神は名次大神。1878年より神戸市にある廣田神社の摂社となっている。