■ 京阪中之島線の起点駅「中之島駅」
江戸時代に「天下の台所」を支えた蔵屋敷は明治時代になって廃絶され、その跡地に大阪の近代化に寄与する施設がつくられた。明治時代末期から昭和初期にかけての「大大阪時代」には、多くのビルが建てられ、中之島界隈は名実ともに大阪の中心地となっていく。
太平洋戦争中には空襲を受けて一帯は焼け野原となるものの、現在の中之島も大阪経済の中枢を担っている。その様子は、堂島川や土佐堀川に架かる橋からエリアを眺めると、一目瞭然だ。
なにわ橋駅から大江橋駅、渡辺橋駅と順にたどり、最後に到着するのが中之島駅だ。線路もこの駅で途絶えている。ただ、ホームと線路の先には、掘削の際に用いられるシールドマシーンのカッターのモニュメントが設置されている。
実際に使用されたカッターの一部分だとされ、延伸用に保存されているものではないらしい。
中之島駅を地上に上がると、堂島川沿いには水上複合施設「中之島バンクス」がある。カフェやレストラン、アウトドア用品などの店舗が並び、イベントも行われるスペースである。