■ 三栖閘門から観月橋まで
京阪宇治線は、中書島駅(ちゅうしょじまえき)を出ると伏見の町中を抜け、そのあとは宇治川に沿って東に延びる。中書島駅から、次の観月橋駅(かんげつきょうえき)までは約700メートル。天気もよかったので、宇治川沿いをテクテク歩いてみた。
近鉄京都線の線路下をくぐり、しばらく歩くとレンガ造りのレトロな建物が見えてくる。掲げられているのは「平戸樋門」と刻まれた扁額(へんがく)だ。
平戸樋門は1926年の完成。ここから宇治川の水を取水して濠川(ほりかわ・ごうがわ)に流し、伏見の街をぐるりとめぐって前回紹介した三栖閘門(みすこうもん)から、ふたたび宇治川に流出させていたのだ。
そして、平戸樋門の上流に架かるのが「観月橋」。名前は風流だが、鉄筋コンクリート製の武骨な橋で、国道24号線のルートであるため交通量は多い。