京都に観光名所は数々あれど、人気エリアの1つが嵐山で、天龍寺や竹林の道、渡月橋に野宮神社など、訪ねてみたい名所がいくつもある。そんな嵐山への鉄道アクセスは阪急電鉄の嵐山線か京福電鉄嵐山本線の2つ。ただし、阪急の嵐山駅は観光スポットからかなりの距離があり、駅前にもにぎわいは見られない。一方、京福電鉄の嵐山駅は嵐山の中心に位置し、13ある途中駅の近くにも由緒のある神社仏閣などが多い。つまり、観光目的で利用するのなら、嵐山本線のほうがうってつけなのだ。

四条大宮駅に停車中の嵐電車両

 嵐山本線は京福電鉄嵐山線の1路線で、もう1つは北野白梅町駅から帷子(かたびら)ノ辻駅までの北野線。両方を合わせた通称が嵐電だ。

 嵐電は1910年、嵐山電車軌道によって現在の嵐山本線が開業。1918年に京都電燈という電力会社が嵐山電車軌道を合併する。1925年に北野線が開業。1942年には、京都電燈の鉄道事業を継承する形で京福電鉄が設立され、いまにいたっている。

 車両は京都の「雅」をイメージした京紫色。かつては違った塗装の車両も存在したが、2010年から順次統一された。ただし、2009年に神奈川県の江ノ島電鉄と姉妹提携を締結したため、江ノ電カラーの江ノ電号も運行されている。

帷子ノ辻駅に停車中の江ノ電号

 嵐山本線の起点は四条大宮駅で、大阪方面からは阪急の大宮駅での乗り換えとなる。阪急とは西院駅でも乗り換えられるが、無人駅なので一日乗車券は購入できない。何度も途中下車をする予定なら、有人の四条大宮駅から乗車する必要がある。ちなみに阪急の西院駅は「さいいんえき」で嵐電は「さいえき」。お間違えなく。