■ 2万人都市をつらぬく2.7km路線

 近畿2府4県の中で、もっとも人口の少ないのが和歌山県だ。その数、約89万6000人。全国では40位に位置する。ちなみに、近畿でもっとも多いのは大阪府の約887万人。近畿5位の奈良県でも約130万人と100万人を超えている。

 そんな和歌山県は紀北・紀中・紀南(南紀)と区分され、紀中地域に位置するのが御坊市(ごぼうし)である。人口は約2万2000人。それでも県内では10位にランクインされている。そして御坊市には、日本最短の私鉄路線が走っている。路線距離2.7kmの「紀州鉄道」だ。

 路線距離でいえば千葉県の芝山鉄道が2.2kmで最短だが、全列車が京成電鉄との相互直通運転を行っており、さらに運転業務も京成に委託しているため、完全に独立した路線としては紀州鉄道がもっとも短いといえるだろう。

 今回、最短路線であり本州最南端の私鉄でもある紀州鉄道沿線と、御坊市内を紹介したい。