■南海加太線の周辺スポット
加太駅は本州の大手私鉄で最西端に位置する。加太線の前身である加太軽便鉄道と同じ1912年に開業。レンガ造りの基礎や洋風の外観など、その駅舎はほとんど開業当時の姿をとどめている。加太線は1930年に加太電気鉄道に改称し、1942年に南海と合併。淡島神社や木本八幡宮などの参拝客や地元住民の足、加太港でとれた鮮魚の輸送だけでなく、由良要塞深山重砲兵連隊への物資輸送や住友金属工業(現日本製鉄)和歌山製鉄所の通勤手段としても重要視された。
●磯の浦海水浴場〈isonoura_coast〉
関西におけるサーフィンのメッカとして有名な磯の浦海水浴場は、磯ノ浦駅からは歩いてすぐの位置にあり、シーズン中の加太線の車内はサーファーや海水浴客の姿が目立つ。画像を撮影したのは11月の平日だが、波乗りを楽しむサーファーの姿が見られた。
●淡島神社〈awashima_shrine〉
全国にある淡島神社、粟島神社、淡路神社の総本社である。創建は仁徳天皇の時代と伝えられる。人形供養の神社としても名が知られ、境内には2万体の人形が安置されている。日本人形のほかにも、フランス人形や陶器の人形、武者人形や招き猫などなど、ありとあらゆる人形が保管されている。また、婦人病祈願など女性に関するご利益があるといわれ、下着も奉納されている。
●加太の海〈kada_coast〉
加太の海に浮かぶ沖ノ島は太平洋から大阪湾に入る紀淡海峡(きたんかいきょう)に位置し、旧日本軍の要塞施設として使われた。現在も当時の面影を残す廃墟が数多く点在し、観光スポットとなっている。また、紀淡海峡の荒波にもまれた真鯛は鳴門鯛、明石鯛にならぶ地域の名産でもある。