■播磨下里駅から長駅へ
法華口から次の駅までは距離にして約2.5キロ、徒歩約30分。待ち時間も10分程度だし、ここまで歩いてきた多少の疲れもあるので列車に乗る。所要時間4分で到着したのが播磨下里駅だ。
この駅も国の登録有形文化財で、1917年開業時の姿をとどめている。網引駅や法華口駅とは違い、間口の小さな細長い造りが特徴。2名のボランティア駅長が、毎月「お絵かき会」を開いたり、駅と寺院を合体させた「下里庵」として読経などを行ったりしているという。
列車の待ち時間が長いので、次の長駅までふたたび歩く。風景は、相変わらず自然が豊か。その中を粟生駅行きの上り列車が通り過ぎていく。
車体の青緑と自然の緑が織りなす光景が、やさしく映える。
約2キロの道のりを20分かけて歩くと、比較的、民家の密集した界隈に姿を見せるのが長駅である。
―つづく―