■大阪メトロ御堂筋線と相互直通運転
現在開催中(2025年4月13日~10月13日)の大阪・関西万博の会場へ行く鉄道アクセスは、大阪メトロ中央線の1本しかない。駅も夢洲駅のみだ。
一方、1970年に開催された大阪万博では万国博中央口と万国博西口の2駅があり、万国博中央口駅は北大阪急行、万国博西口駅は阪急の管轄だった。
この2つの鉄道会社のうち阪急電鉄は大手私鉄として、また関西随一のハイソサエティ路線としても有名だ。だが、北大阪急行という名を関西以外、いや関西圏内でも知らない人は多いかもしれない。
北大阪急行の路線は南北線だけで、起点は江坂駅、終点は箕面萱島(みのおかやしま)駅となっている。ただし、江坂駅と箕面萱島駅だけをつなぐ列車は運行されていない。箕面萱島駅を出た車両は、そのまま大阪メトロの天王寺駅か中百舌鳥駅に向かう。
すなわち、北大阪急行南北線は地下鉄御堂筋線と相互直通運転を行なっていて、ダイヤも御堂筋線と一体化。大阪メトロとは別会社であるにもかかわらず、南北線を御堂筋線の延長路線と捉える人も多いのだ。
■ハンズが初めて出店した江坂
北大阪急行の路線距離は8.4kmで駅の数は6駅。2024年までは4駅だった。江坂駅は1970年2月に開業。所在地は大阪市内ではなく吹田市である。
駅周辺は吹田市でもっともにぎやかな繁華街で、駅の西側には商業施設や飲食店などが建ち並ぶ「江坂ウエストサイドストリート」と名付けられた通りがある。

その一画のビルの1階と2階に入居するのが「ハンズ」。かつての東急ハンズだ。
大阪では、江坂の東急ハンズに特別な思い入れのある60代前後の人が多い。なぜなら、大阪における東急ハンズの初出店は梅田でも難波でもなく江坂。1983年のことで、大阪のみならず関西初出店である。
当時は物珍しさもあり、また豊富過ぎる品揃えもあって、大阪のみならず関西一円から東急ハンズを目指す。筆者も大阪府の南部から、大阪市内を通り過ぎて江坂へ向かった。
出店当初の東急ハンズは、入居するビル全体をカバーする大型店。駐車場へ入るのに、長時間待った記憶がある。
