■優しいグリーンドラゴン! 神秘的な瞳の色合いが印象的な鳥海山

深い青の鳥海湖がまるで緑の龍の目のよう。鳥海山(2024年8月撮影)

 8月に登った鳥海山での一コマ。山形県と秋田県に跨がる標高2,236mの山で、その美しい山容は“出羽富士”とも呼ばれ、日本百名山にも数えられている。

 鉾立ルートからピストンしたのだが、暑い最中での山歩きにへこたれそうになりながら、外輪山を巡り、最後に長坂道分岐方面へ下山して、この景色をカメラに納めました。鳥海湖はまるで龍の目のよう。つぶらな瞳で優しい雰囲気さえ感じてしまう、そんな一枚になったのではないだろうか。

 高山植物のお花畑には少し遅い時期だったが、咲いている花々を見つけることも楽しめた山行。

■圧倒的存在感の槍ヶ岳! 粘り勝ちの瞬間

チングルマ越しの槍ヶ岳(2024年8月撮影)

 こちらは北アルプスの南岳に向かう途中にある天狗原付近で撮影したもの。南岳は長野県松本市と岐阜県高山市に跨がる標高3,033mの山である。百高山として知られている。

 長い道のりの先、天狗原はオアシスのような場所だが、この日は夏の洗礼でガスに見舞われてしまった。

 「ここを撮りたくて、このルートにしたのに」

 晴れることを祈って2時間も待っていたが、晴れず……。山頂へと進み出したところ、急に槍ヶ岳が姿を現し、半ば意地になって撮影したもの。でもかなりかっこいい一枚になったと思い、晴れなかったこともこの一枚が撮れたことでよかったとさえ思っている。

【後編:秋〜冬山】へ続く