南アルプス最北の3,000m峰、仙丈ヶ岳! 厳冬期の優美な姿に会いに行ってきました。2月20日に地蔵尾根から入り、1泊2日の行程です。私にとっては挑戦の登山! 念入りにシミュレーションをして挑んできました。

 なんでそんな厳しい世界に飛び込むのか……。厳しければ厳しいほど美しい景色があって「自然に魅了されているから」なんです。これが登山をしない方にはなかなか理解してもらえない(笑) でも、「アイドルに魅了されてどこまでも追いかける」情熱と相違ない気がしてるんです(笑) 違うかな!?

 ずっと憧れていた厳冬期の3,000峰の世界へ絶景を追い求めていざ!

■今回の目的、目標!

一日目に仙丈小屋には到着ならず。凍り着く小屋がこの日の厳しさを物語っている

 私は、「冬の仙丈ヶ岳に登りたい」と数年前から言っていて、仲間からは、「長いぞー!」と言われ、簡単には踏み出せなかったのですが、今回チャンスに恵まれて挑戦することとなりました。

 一番の目的は「仙丈ヶ岳の朝焼けをみること!」です。そのためには仙丈小屋泊をするか、行けるところまで行き樹林帯でテント泊をすることを1日目の目標としてスタートしました。

■重い、長い……

重くても担ぐのはクラフトビール!! 絶景と同じくらいのご褒美でしょ

 序盤は3時間半の林道歩きです。「これが長い……」下山で一番辛かったのがここです。冬の仙丈ヶ岳に登るならこの長い林道歩きの覚悟が必要ですね。登山道に入るとトレースは不明瞭となり、踏み抜くのでワカンを装着しました。テント泊の重装備と相まって、かなりこたえました……。

 16時までに2,600m地点まで上がりましたが、天候が変わったこともあり、一旦標高を下げ、2,500m地点で雪上テント泊をすることに。その後、数時間は雪が降っていましたが、樹林帯は風の影響もなく暖かく休むことができました。

■厳しいナイトハイク

急登を登りながら目線を上げると、相方さんのシルエットがかっこよかった

 翌日は、雪も止み風もさほど強くなさそうだったので、予定通り朝焼けに間に合うように2時半にスタートしました。2,700m地点手前の急登の樹林帯からは、ルートが不明瞭で適切なルートファインディングが必要です。雪が積もっていますが、その下には過去のトレースでしまった雪がありました。ルートを外れると体が雪に深く沈みます。全く同じように登る必要はないですが、慎重に確実に進んで行きました。

 稜線に出ると風を感じ、気温もマイナス20度近くとかなり厳しく、ここからはダウンジャケットを着込み、稜線もまた慎重にルートファインディングしていきます。ナイトハイクでよく見えないのがより大変でした。とにかく急登が続いたイメージが残っています。