私が住む長野県北部、たおやかに裾野を広げてそびえるのが、標高1,917mの飯縄山(飯綱山・いいづなやま)山です。登山ルートがいくつもあり、地元の人からとても愛されている里山です。日本二百名山であり、北信五岳(※)にも数えられます。また、山岳信仰の霊山としても有名です。パワースポッ トとしての魅力もあります。

※ 長野盆地より眺めることができる名峰の総称。妙高山、斑尾山、黒姫山 、戸隠山、飯縄山。

 2023年の初日の出を拝みに飯縄山へ。年神様に幸せを祈る意味を込めて礼拝してきました。

■信仰の山! 飯縄山

朝焼けに染まる飯縄山の山頂

 「一の鳥居」からの南登山道には、下から順番に13の石仏が見守るように建ち、古くから修験道の霊山として親しまれてきました。「飯縄大明神」は不動明王の化身ともされ、戦国武将から守護神として崇敬されていたと言われています。かの上杉謙信や武田信玄も持仏として身につけていたそう……。調べていくとロマンがありますね。

 また、南峰の飯縄神社の中の鏡に日の出が当たるようになっているのだそうです。とても深く信仰されている山です。

■賑わう正月登山

南峰の鳥居をバックに集合!

 元旦は穏やかな天気となり、新年を照らす初日の出を観ようと、多くの登山者で賑わっていました。登りは約2時間半かかります。しかも駐車場からずっと雪道が続きます。登山道は夏道ではなく急登な冬道にもなります。けっして手軽ではないのにすごい人気です! 駐車場は満車となっていました。

 大人たちだけでなく小学生も登っており、お父さんと一緒に新雪をはしゃぐように楽しんでいました。「朝早くからえらいな」と感心します。また、登山者の中では「小学生ぶりに飯縄山に登りました」という人もいました。北信(長野県北部)に住む人なら、学校登山などを通して小さい頃から親しんでいるのが飯縄山です。また、毎年干支の仮装をして登っている方もいました。登っている方々がみんな笑顔でとても素敵でした。

■美しい初日の出

空が濃いオレンジ色に染まる美しい初日の出

 私は南峰にある「飯縄神社」に参拝してきました。神社の中の鏡に映る光と、綺麗な朝焼けと力強い荘厳な初日の出を観ることができ、神聖な気持ちで1年を迎えることができました。今年1年、怪我なく健康で「山ライフ」を楽しむことができますように……。世の中も平和な日常が戻り、明るく素晴らしい一年になりますようにと願ってきました。

 街では距離を感じてしまう「人」とも山の上ではとても近くに感じ、地元ならではのあたたかさを感じる、良い新年のスタートになりました。今後も登山の様子をお伝えしていきますので、よろしくお願いいたします。