志賀高原と聞くと、冬のスキーシーズンを思い浮かべる人が多いかもしれない。実は、本当に魅力的なのは“グリーンシーズン”だと思っている。平地が30℃を超える暑さの中、25℃前後と過ごしやすく、また良い意味で静かな場所。
登山者にも嬉しい2,000m級の山々が連なり、火山の景観と湿原、ブナの森が立体的に絡み合う素晴らしい景色だ。今回は、その中でも特に表情豊かな4座をご紹介、志賀高原に滞在して色々と登ってみるのも楽しい。
■赤石山

四十八池湿原の奥にそびえる赤石山(標高2,109m)は、前山湿原からの池めぐりを楽しみながら登ることもおすすめだ。渋池での浮島を観察したり、四十八池では、湿原を楽しみながら、山肌に向かってヤッホーと叫んでみて! ヤッホーが返ってくるヤッホーポイントがある。
ゆっくり池めぐりを楽しみながら進み、晴れた日には山頂の岩場から、絵の具をたらしたような深い碧色の大沼池を見下ろす絶景が待っている。
■志賀山

志賀高原の名を冠する堂々たる双耳峰の志賀山(標高2,037m)。大沼池や四十八池、遠く北アルプスまでを一望できる“展望の舞台”。山頂の風はやわらかく、夏でも涼やか。登ってみれば、スキーのイメージしかなかった自分をちょっと恥ずかしく思うはず。
花の百名山にも選定されており、高山植物を愛でながら歩くことがとても楽しめる。
■岩菅山

志賀高最高峰であり、日本二百名山の岩菅山(標高2,295m)。稜線を吹き抜ける風と、360度の大展望に思わず「最高」と叫びたくなる。北アルプス、妙高連山、浅間山、御嶽山……。視界の中で名峰たちが名乗りをあげる。
ゆるやかに登る夏の稜線は、登山中ずっとカメラが手放せない。広い山頂で食べるお弁当もまた格別な時間だった。距離も長く、山頂直下は岩場なので健脚向きの山だ。

■焼額山

冬はスキーの聖地、夏は緑に囲まれた別世界。ゲレンデの急坂を登っていき、森を抜けると山頂には稚児池と広い湿原の別世界が広がっている。今まで登ってきた登山道からはちょっと想像できないくらいだ。登りの時間も2時間ほどなので、山頂でゆっくりする時間もたっぷりある。日常の喧騒が全部リセットされるだろう。

志賀高原の冬のゲレンデしか知らない人には、ぜひこの四季折々の顔を見せたい。のんびりと池めぐりや、体力のある人は登山をして汗をかくのもよい。
高山植物や昆虫を愛でたり、とにかくとても涼しく心地がよい空気を感じてもらいたい。そして温泉もたくさんあるので、温泉巡りもいい。さらに宿泊施設に滞在して、朝焼け夕焼け、星空まで、余す所なく自然を満喫することもおすすめ。
来年の夏でもいいし、秋も一足早くやってくるので紅葉の季節もぜひ訪れてみてほしい。
