今年は巳年ということもあって、干支にちなんで象徴の「蛇」の字の入った山を登って楽しむ人がいるようだ。「蛇」は昔から「長寿」「繁栄」「金運」など、縁起の良い神聖な生き物として扱われている。その年に「蛇」の名のつく山に登ることは、新しいスタートを切るような気持ちになっていいかもしれない。

 浅間山の外輪山の蛇骨岳(標高2,366m)もその一つ。外輪山の中で一番高い黒斑山(くろふやま・標高2,404m)を登り、浅間山の美しさを堪能したあとに蛇骨岳まで足を延ばすと、四阿(あづまや)山や草津白根山を見渡すことができる。雪山の入門とも言われる黒斑山をぜひ楽しんでもらいたい。私も何度も登ってきた。今回は冬の浅間山の絶景をお届けしたいと思う。 

■ガトーショコラを求めてスイーツハイク!

心の目で見る浅間山と手作りガトーショコラ

 雪化粧した浅間山が“ガトーショコラ”と呼ばれて親しまれていることはご存じだろうか。活火山ならではの黒い山肌の浅間山に雪が積もり、ガトーショコラに見えるのだ。

 その「ガトーショコラ浅間」の前で、自作のガトーショコラで山カフェを楽しもうと女子ハイクに出かけた。残念ながら、この日は浅間山と外輪山の間に濃いガスがあり、景色は全く望めなかった。けれども、自然の中で友人と一緒に歩きながらおしゃべりしたり、お菓子をシェアして過ごす時間は景色がなくても心地よく感じられる。ちょっと強がりだが、心の目で見る浅間山も面白かった。

■ナイトハイク、オレンジ風味のガトーショコラ

朝焼けのオレンジの空とガトーショコラな浅間山

 黒斑山で「ダイヤモンド浅間」を見ようとナイトハイクをした。高峰高原ホテル駐車場の時点であまりの寒さに怯んでしまうが、そこからヘッドライトを頼りに山の中に入っていくのだ。

 歩き出すと体が暖まり、登ることに集中する。むしろ空が明るくなって来ることに焦りさえ感じる。浅間山から昇る日の出は、浅間山の標高の分の時差もあるので、余裕を持ってスタートすれば日の出に間に合う。この時のことを「オレンジ風味のガトーショコラだ」と仲間が表現してる。惑星感のある浅間山とオレンジの空が印象的だった。