恵那山は、長野県阿智村と岐阜県中津川市にまたがる中央アルプス南端の山です。日本百名山に選定されており、日本武尊(やまとたけるのみこと)や「日本アルプスの父」W.ウエストンゆかりの山としても知られています。
山頂に展望櫓(やぐら)があるけれど、トウヒやコメツガなどの背が高い針葉樹林に囲まれているため、展望はいまひとつ。そのせいか、地味な百名山と噂される山ですが、この秋歩いてみたら美しい紅葉に感動しっぱなしでした。
■晴れそうな山を探して……
「天気がいい中で登山を楽しみたい!」直前まで天気予報を頻繁にチェックして、晴れを期待できそうな山を探します。「今回は恵那山が晴れそう!」と、まだ(私にとって)未踏の恵那山に決めて行ってきました。
恵那山について「展望がよくない」「百名山だが人気がない」などのマイナスな評判を耳にしていたので、登るきっかけが今までなかったのですが、色んな天気予報を見ても恵那山が一番良さそう! これこそがいいきっかけなのかなと天気に後押しされて決めました。
■神坂峠ルートをチョイス
登山ルートが豊富で、どのルートにするか迷いましたが、展望が良いとされる「神坂峠ルート」にしました。神坂峠は恵那山の北側を越える峠です。信濃と美濃を結び、古くから人々の往来があったそうです。
神坂峠登山口には5台ほど車を停められるスペースがありますが、トイレはありませんのでご注意ください。この日は5時半に登山を開始しました。
スタートして20分ほどで展望の開けた千両山に出て朝焼けを見ることが出来ました。この時点で「これで地味だなんて信じられない!」と感動していました。ただ少し「これで感動が終わったらどうしよう」とも思っていたかも……。
■紅葉真っ盛り! 感動しっぱなしの登山道
このルートは、鳥越峠まで降りたり、大判山を登ったりとアップダウンが多くてなかなか歩きごたえがあります。ただ途中の景色は格別! 針葉樹林に広葉樹林が混じる森。クマザサが覆う山肌。そこに紅葉の色が差して山がとてもカラフルでした。あまりの綺麗さに感動しっぱなしでした。登りでも写真を撮って歩いてきているのに、下山でも撮る手が止まらない……。秋の恵那山はとてもオススメです! 全然地味ではありませんでした。
ただし山頂は評判通りで、展望櫓に登ってみても樹々や葉が近くに見えるだけでした。
■おかわり登山! 富士見台高原へ
神坂峠登山口からは富士見台高原にもアクセスすることが出来るということで、こちらも時間に余裕があったら行きたいなと考えていました。
恵那山に登りながら振り返ると、笹に覆われた爽やかな緑の富士見台高原が印象的でした。遠くから眺めても綺麗だったので「歩いたら楽しいだろうなぁ」と“おかわり登山”です。
登山口となる萬岳荘までは車で移動し、そこから歩いて30分で富士見台山頂に到着しました。ついさっき登ってきた恵那山を眺めながら、360度見渡せる絶景を楽しみ、広い高原を散歩して大満足。紅葉と相まって格別でした。おかわりして大正解!