山登りが好きな方の中には、登山用と災害用の備蓄を兼ねて、アルファ米やフリーズドライ食品を常時ストックしている方は少なくないはず。どの商品も賞味期限はかなり長い。しかし、久々に引っ張り出してみたら期限が切れそうになっていた、なんてことは案外多い。

 山でならば気にならないが、普段のご飯として非常食をそのまま食べるのは少し味気ない。そこで少しの手間で非常食(アルファ米)を美味しく食べられる調理法をお伝えしよう。山やキャンプでも有効なので、アルファ米のストックがある方は手元にご用意を。

まず、初級編は握って焼く

どの味のアルファ米で作っても美味!

 まずは、もっともお手軽な食べ方から紹介しよう。

 手順は簡単。まず、お好みのアルファ米を戻したらラップに包んでおにぎりにする。その表面にフライパン(くっつきづらい加工のフライパンが便利)で軽く焼き目をつけるだけ。

 これだけで、香ばしい焼きおにぎりになる。焦って動かすと崩れやすいので、しっかりと焦げ目がついてからひっくり返すのがコツだ。焼き付けるときに、醤油をひとたらししたり、味噌やゴマを薄く塗ってから焼くとさらに美味しい。

   表面にこんがりついた焼き目が美味しそうでしょう?

 さらに、お吸い物を入れてお湯を注ぐだけの、焼きおにぎり雑炊にアレンジするのもおすすめ。朝ご飯や食後にもうちょっと食べたいってときに、覚えておくといいだろう。

中級編は油を加えて炒めてみよう

油分を加えると、パサつきがなくなり、より食べやすくなる

 アルファ米のパサつきが苦手という方も多い。前述のように汁気を足すのが1つの手だが、油分を加えてみても食べやすくなる。パラパラ感を生かしつつ炒めれば、より美味しく仕上げることができる。

卵を先に入れた方が失敗が少ない

 冷蔵庫を開ければ1つはあるであろう、卵と一緒に炒めてみよう。

 油を温めたフライパンに卵を入れ、そこに戻しておいたお好みのアルファ米を加えて強火で炒める。お好みでブラックペッパーやケチャップ、カレー粉などで味を調えれば、簡単にパラパラのチャーハンやチキンライスが出来上がる。

 お店で食べるチャーハンのような、絶妙なパラパラ具合が簡単に再現できる。ひと手間だが、きれいに盛り付けることもお忘れなく。

山でも使える、目から鱗の組み合わせ

用意するのは白飯のアルファ米、お吸い物、お好みの乾物、そしてスライス餅

 最後に登山用の食事としても使える、乾物と組み合わせた美味しい食べ方も覚えておこう。ポイントとなる食材は、薄いスライス餅だ。 

包丁よりもハサミの方が切りやすい

 まず、スライス餅をハサミでなるべく細かく刻む。これが唯一にして最大の手順だろう。

 あとは、この餅とお好みの乾物、お吸い物をアルファ米に入れて、よく混ぜる。そしてお湯を注いで米が戻ったら、再度よく混ぜる。以上。

具材は米と一緒に戻すのが手軽。お湯を沸かすときに一緒に煮るとさらに戻りやすい

 これだけで、もちもちのオリジナルおこわが完成する。具材はお好みで。ヒジキと豆なんて組み合わせもおすすめしたい。

 試しに今晩の食卓に出してみよう。きっとあなたの旦那さんは、これがアルファ米だということに気がつかないに違いない。

写真は桜海老、ゴマ、ホウレン草の乾物を使ったおこわ