日に日に暖かな陽気になり、誰もが外遊びに出かけたくなる季節がやってきました。

 今年こそハイキングデビューをと考えているなら、まず揃えるべきは道具はバックパックです。でも、どうせ新調するならハイキング専用ではなくて、タウンユースにも兼用できるモデルにした方がお得なんじゃないかな?  と考える方も多いでしょう。

 そこで、ここではハイキング用のバックパックとタウンユース用のモデルの違いを比較解説。あなたに本当に必要なのはどちらなのか、一緒に考えてみましょう。

■ハイキングや日常使いをするなら、20Lサイズがおすすめ

グレゴリー/キロ 20  ¥17,600(税込)

 今回は、カリフォルニア生まれの老舗アウトドアブランド「グレゴリー」の新作モデルを例に比べてみましょう。

 まず、ハイキング用の代表例として紹介したいのが「キロ 20」。シンプルな造りながら、細部に山で使いやすいディテールを盛り込んだニューモデルです。

グレゴリー/ルーヌ 20 ¥26,400

 タウンユース用の代表例は、「ルーヌ 20」をピックアップ。グレゴリーが培ってきたハイキング用パックの良さを、タウンユース仕様に落とし込んだ人気モデルです。

 どちらのモデルもいくつかサイズ展開がありますが、今回は比較用に容量は同じ「20L」のモデルを選んでみました。

 日帰りハイキングや普段使い用にするならば、20L前後の大きさがおすすめです。大は小を兼ねるという考え方もありますが、大き過ぎるバックパックは余計な重さを背負わなければならないばかりか、つい余計な荷物を入れてしまいがち。スカスカだと重量バランスが崩れてバックパックの性能が十分発揮できなくなってしまうので、用途にあったサイズを選ぶことが重要です。

■ハイキング用は「長く背負って歩き続けるため」にデザインされている

迷ったら、まず背面をチェック

 まず、ハイキング用にデザインされたモデルのもっとも大きな特徴は背面の構造です。重たい荷物を背負って山を登り続ける動きに追従したり、びっしょりと汗をかいても快適な状態を保てるよう、フィット感の高さとサポート性、通気性に優れた構造と工夫が盛り込まれています。

汗をかいても張りつかず、通気性に優れたメッシュ素材を採用

 キロ 20の場合、メッシュ素材と穴が開いた3Dフォームを組み合わせることで、背面部の適度なクッション性と通気を確保。フィット感を高めるために体に沿ってカーブさせたショルダーハーネスにも、同じく細かく穴を開けた通気性の良いフォーム素材を採用しています。

背面の構造を見ると、通気性の違いが一目瞭然

 一方、タウンユース用のバックパックの背面は、ハイキング用ほどハードな運動は想定されていません。通気性やフィット感はそこまで重視されず、適度なクッション性を重視したモデルが多い印象です。

 ルーヌ 20の場合は、一般的なフォームを使わず、荷重による圧力を分散させつつ、吸湿速乾性もあるエアークッション・バックパネルを採用。

タウンユース用としては珍しいこだわり

 ショルダーハーネスも通気性の高い構造になっており、十分ハイキングにも使える仕様です。

 アウトドア用のバックパックを手掛けているブランドならではのこだわりを、タウンユース用にも落とし込んだ珍しいモデルと言えるでしょう。