アウトドアショップのバーナー売り場に足を運ぶと気がつくことがある。バーナーメーカーの数だけ、燃料となるガス缶も各社のものが置かれているのだ。
しかし、ジョイント部分の形状は同じに見えるし、実際にメーカーの違うバーナーとガス缶を繋いでみても火をつけることはできる。ガス缶なんて、どのメーカーのものも同じじゃない? 1種類あれば十分じゃない? と思ってしまうところだが、どうやらそういうわけにもいかないらしい。その理由を探ってみよう。
■中身は3種類のガスで構成され、配合比が各社で異なる
どのガス燃料も、中身は3種類の同じガスで構成されている。ノルマルブタン、イソブタン、プロパンの3つで、後者から順に気化する沸点が低い=火力が強く、寒い環境の中でも使用することができる。
プロパンの比率が高いほど火力が強く、寒い場所でも使えて便利なのだが、プロパンは燃料缶の内圧が上がりやすい。家に設置されているようなプロパンガスのタンクを思い浮かべてみていただきたい。携行用のガスは、缶自体をあそこまで分厚くすることができないため、内圧の高いプロパンガスは詰められる率に限界があるのだ。
そのため、各社が独自の考えに基づき配合比に工夫を凝らしている。だから、メーカーごとに燃料缶の中身が微妙に異なるってわけ。
ちなみに、かつてはCB缶(カセットガス)の形状や寸法は曖昧で互換性がないものも多かったが、阪神淡路大震災を機にJIS規格が改定され、一応メーカーを問わずカセットコンロとボンベが使えるようになっている。