▲たくさん種類がありますが、一体なにが違うのでしょう?

 みなさんは、なにを基準に「虫除けスプレー」を選んでいるだろうか。

 ブランド名? パッケージのデザイン? それとも値段?

 いろいろな理由があると思うが、「有効成分」とその「配合率」を意識して選ぶ。これこそが、夏のアウトドアにつきまとう天敵を遠ざけるための近道であることを覚えておこう。

■もっとも代表的な有効成分は「ディート」

「原液100ml中ディート30.0g」ということは、配合率は「30%」

 まずは、パッケージの裏の成分表にご注目いただきたい。製品それぞれ、使用する有効成分(虫に対する忌避効果のある成分)が表記されている。

 代表的な有効成分は大きく2種類に分けられる。もっともよく使われている有効成分は「ディート」なるもの。これはベトナム戦争時に、ジャングルでのマラリア感染を防止するため米軍が開発した成分である。もう、開発理由だけでもめちゃくちゃ効きそうでしょう?

国外にはより濃度が高い製品も流通している

 成分表をさらによく見ていただきたい。

 製品ごとに、有効成分の「配合率」が異なることに気がつくだろうか。ちなみに、ディートの最高濃度は30%。体への影響を考慮して、日本国内では2016年まで最高濃度は12%が上限だったが、現在は30%に定められている。

 アウトドアで使うなら、配合率が高いものが便利。濃度が違っても忌避効果の強さは同じなのだが、違いは効果の持続時間に現れる。濃度が高ければ、何度も塗り直す手間が減るのだ。裏を返せば、濃度が低い製品でもまめに塗り直せるならば、同様の効果を得ることができる。

 ただし、ディートは体への影響が強い成分で、濃度が高い製品は子供への使用が制限されている(濃度30%のものは12歳以上のみ使用可。その他、濃度によって年齢ごとに制限あり)。顔への使用は控え、外出から帰ったら早めに洗い流すなど、製品ごとに定められている用法と容量を守って使うと安心安全だ。