夏よりもぐっと過ごしやすいこれからの時期は、ソロキャンプやソロ登山デビューにぴったりの季節。テントや寝袋は目的に合ったものを揃える方が多いようですが、バーナーは案外適当に選んでしまいがちなギアです。

 おひとり様に向くバーナーにも、用途に合わせて色々な種類があります。ここではバーナーを燃料の種類と形状で、CB缶を使った一体型、OD缶を使った一体型と分離型の3つに分類して、それぞれの特徴と向いている用途を考えてみます。購入前の参考に、はたまたギアを見直すためのおさらい用にご覧ください。

■登山で使うならOD缶タイプ

まず考えるべきは燃料のガス缶の違いについて

 キャンプだけでなく、登山にも併用するつもりなら、OD缶(おーでぃーかん)を使うタイプをおすすめします。

 その理由は、まず使用する用途や日数に合わせて選べる燃料サイズの選択肢が多く、コンパクトなサイズを選ぶことができること。さらに、丸くペタッとした形状なのでクッカーの中に収納することができるので、荷物の省スペース化も図れるからです。

OD缶は選べるサイズと種類が豊富
ヘッドや五徳の大きさが調理のしやすさと安定感を左右する

 OD缶は構造上、CB缶よりも寒さに強いプロパンの割合を高く封入できるのも特徴です。そのため、標高が高く寒くなりやすい山中でも安定した火力が得られるハイパワータイプのガスを使うこともできます。

sotoの「マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター」は五徳込みでわずか87gしかない。こんなに小さくても火力は十二分

 これらの燃料のメリットを生かすために、OD缶を使用するタイプのバーナーは軽量、コンパクトに設計されているものが大半です。特に一体型タイプは、手のひらに載るほどコンパクトで、わずか数十gしかないモデルも珍しくありません。飲み物やフリーズドライ用のお湯を沸かしたり、簡単な料理をする程度であれば、登山でもキャンプでも軽量な「OD缶の一体型」は非常に有用です。

湯沸かしやちょっとした料理程度なら一体型で十分

 キャンプや山でも、ある程度しっかりと料理を楽しみたい方には「OD缶の分離型」をおすすめします。重量と収納面では一体型に少々劣るものの、燃料とバーナーヘッドが分離した高さが抑えられる構造なので、調理時の安定感が格段に良くなります。鍋やカレー、煮込みなどを作るなら、断然こちらのタイプが使いやすいでしょう。

 ちなみに、かつて著者は手間暇かけてコトコト煮込んだビーフシチューを蹴倒して以来、一体型から分離型に乗り換えました。あの切ない気持ちを味わわずに済むと思えば、多少の重量増は苦になりません。