■花が咲く期間は短い、しかし高山植物は咲き続ける。その訳は?

岩肌にも根を張り成長していくイワウメの花(2024年6月30日撮影)

 一般的に花の寿命は短い。ひとつの花がきれいに咲いていられる期間はせいぜい一週間ほどだろう。では、山の上で見る高山植物の花のタイミングもそんなに短いかというと、そんなことはない。雪解けと共に花が咲く春の高山植物は、雪解けに合わせて山の裾野から徐々に咲いていく。

 大きな山では雪の後退と共に、順次花が咲いていくので、1か月くらいはきれいな見頃の花を見ることができるのだ。さらに、高山植物の花は春だけではなく、夏や秋に咲く花もある。早い時期に春の花が咲いた場所では、続いて夏の花が咲き始める。

■気になる今年の花の見頃は?

同じ場所に異なる種類の花が咲く、天然のお花畑(2023年7月8日撮影)

 北海道の場合、例年であれば大雪エリアではこれから高山植物の花シーズンが始まる。しかし、今年は雪解けが早いため、すでに見頃を迎えつつある。これから1か月間ほどが花の見頃となるだろう。日本一と行っても過言ではない、旭岳の裾野に広がるチングルマの大群落はまだピークではないが、徐々に開花が進んでいるそうだ。

 通常、7月中旬からが花のピークになるのだが、今年は幾分早くピークを迎えそうだ。お花見登山が目的であれば、早めに予定した方が良さそうだ。