立っているだけで背中を流れる汗。ぐったりするような夏が続いています。気力も萎えがちな状況に、心が躍るような刺激はないだろうかと探していたところ、この季節に現れる「宝石のハチ」が近くの公園にいると知り、さっそく出かけてきました。
■花咲く国営昭和記念公園へ
国営公園は、国土交通省が所管する都市公園で、全国に約20か所あります。昭和記念公園は、総面積が180ヘクタールに及ぶ広大な敷地を誇ります。年間を通して様々な花を楽しめるため、多くの人たちが訪れます。取材日(8月14日)にも、早咲きのコスモス「レモンブライト」が斜面を明るい黄色で染めていました。また、小さめのヒマワリ「サンフィニティ」も人気で、カップルや家族がヒマワリをバックに写真撮影をする姿が見られました。
訪れる際には、事前に公式HPの「花だより」等で、見頃の状況や見られる場所をチェックしていくとよいでしょう。
国営昭和記念公園:https://www.showakinen-koen.jp
今回は、花を訪れるハチを見るのが目的です。昆虫が好きなオミナエシは、園内の3か所で見られるのですが、花の前で粘っていても、私が見たいハチはなかなかやってきませんでした。
■美術作品級の美しいボディの持ち主である「宝石のハチ」
そこで、場所をハーブ園に移すことにしました。ハーブも昆虫が好きな植物の一つです。すると、売店の前の小さな花壇に、ひときわハチが集まっているハーブがあることに気づきました。しばらく待っていると、ついに青や緑に輝く2cmほどのハチが登場しました! そのハチの名は「オオセイボウ」。セイボウ(青蜂)というハチの仲間の一種です。
セイボウは、英語ではjewel wasps(宝石蜂)というそうですが、その名にふさわしい輝きを放っています。初めて見るその姿に私は釘付けになりました。しかし、不思議なことに青や緑は、オオセイボウ自体にはその色彩がなく、光の反射によってそのように見えるという「構造色」という仕組みなのだそうです。
撮った画像を拡大してみると、その体全体に点刻が散りばめられています。生物というよりまるで精巧な金属彫刻の作品のように見えます。しかも、額や胸には、中世の騎士を思わせる立派な鎧状のものも身につけています。なぜ、このような体になったのか自然の造形美に驚かされるばかりです。