日本を代表する北アルプスの山々。その麓、岐阜県側に位置する奥飛騨温泉郷。源泉の数は100を超え、平湯、福地、新平湯、栃尾、新穂高と5つの温泉地からなる。湯量豊富な山岳温泉地に昨秋、開業したのが「界 奥飛騨」。
「山岳温泉にめざめ、飛騨デザインに寛ぐ宿」がテーマの「界 奥飛騨」での贅沢な滞在と特別な文化体験、そして自然観光まで。さまざまな角度からこの地域をあらためて知ることで、その魅力はさらに深まっていくことだろう。
■「王道なのに、新しい 。」 全国23か所に展開する温泉旅館「界」
星野リゾートが展開する本格温泉旅館ブランド「界」。それぞれの地域の特色が色濃く演出され、ご当地部屋やご当地楽といった温泉のみならず、滞在を通して、その地域の魅力を体感することができる。
界 奥飛騨は、雄大な北アルプスに抱かれた山岳温泉地として、飛騨高山で育まれた食文化や伝統的な木工技術などが特徴的。北アルプスでの登山や温泉旅をさらに特別なものへと変えてくれることだろう。
●豊富な湯量と飛騨の木工文化に癒される
界 奥飛騨は客室のある2つの棟、湯小屋棟、そして中庭、足湯のある離れと全部で4つの棟から構成される。足湯や大浴場、食事や離れなど、古くからこの地域で親しまれてきた湯浴み散歩を楽しむように過ごしてみるのがおすすめ。
大浴場は、ぬる湯とあつ湯に分かれ、あつ湯には3種類の源泉がブレンドされている。そして露天風呂はなんとも幻想的。一歩、外に出てみるとすっぽりと空を見上げるような特徴的なデザイン。優しい肌触りの温泉と落ち着いた空間はいつまでも入っていたくなるような心地よさ。
客室はご当地部屋となる「飛騨MOKUの間」。ベッドを包みこむような曲木のヘッドボードは驚きと共に落ち着いた雰囲気に満ち溢れる。他にも室内は、飛騨春慶の漆塗りや、飛騨染めのクッションなど、飛騨の文化をあちこちから感じ取ることができる。
タイプによっては露天風呂付きの部屋もあり、プライベートな空間でいつでもゆったりとつかることもできる。まさに温泉三昧を味わえる贅沢な滞在となることだろう。
●滋味豊かな食からも飛騨の魅力を感じる
旅の楽しみ、そしてその地域を知るには食の体験も大事な要素。界 奥飛騨では山深いこの地の伝統的な食文化を会席料理で味わう。囲炉裏端を思わせる盛り付けで提供される料理の数々は、どれもが滋味豊かで、どこかほっとする優しい味わいに心まで温まる。
メインとなるのは、この地域を代表する飛騨牛。朴葉焼きが有名だが、界 奥飛騨では味噌仕立てのすき焼きで味わう。卵ではなく、とろろにくぐらせていただくことで、味噌の風味と合わせて飛騨牛の上品な甘みが口いっぱいに広がり、まさに極上のひと時。とろろは締めの蕎麦の実ご飯とも相性抜群。