三寒四温を繰り返しながら、寒く雪の多かった冬も終わろうとしています。長野県北部に住む筆者ですが、麓から見上げる山々はまだまだ雪が多く白く輝いています。3月中旬の穏やかな晴天の日、樹氷の森を目指して根子岳(ねこだけ)へと向かいました。
■樹氷と晴天の名所! 根子岳

「菅平スノーリゾート」がある寒冷地として知られる長野県東部の菅平高原。その奥にある根子岳(標高2,207m)は、その厳しい寒さから樹氷ができる場所としても知られています。樹氷とは、風雪にさらされた樹木が雪と氷に覆われていくもので、スノーモンスターとも呼ばれています。成長したその姿はまるで雪の怪物のようでもあり、美しい雪山の風物詩的存在です。
八甲田山や蔵王など東北のものに比べて規模こそ小さいものの、菅平高原周辺は晴天率が高く、登山に適した日も多いです。澄んだ青空と樹氷のコントラストが見事で人気を集めています。
樹氷は当然春になれば姿を消してしまう儚い存在です。例年、2月中くらいまでが見頃なのですが、スキー場の「ダボスエリア」から見上げる山頂部の様子からまだ樹氷は残っていそうでした。
■まずは霧氷美しいゲレンデ上部をいく! 振り返れば北アルプスの絶景

スキー場周辺の木々には霧氷が美しく輝いており、歩き出したばかりなのに足を止め、つい夢中で撮影にしてしまいます。さすがは菅平、今朝も放射冷却が厳しかったのでしょう。雪面は硬く締まっています。この硬さを懸念してややゆっくりめの時間にスタートしたのですが、それでも場所によっては少々歩行に気を遣います(スキーとスノーボードにシールを装着していました)。
降り注ぐ日差しは確かに3月のもので歩いているうちに雪も緩み、同時に暑さを感じるほどに。以前はツアーコースとしてスキー場から雪上車も走っていただけあって明瞭で、まるでゲレンデの延長のような雪面が続きます。

なかなか近づかない山頂を見据えながら、振り返れば背後には北アルプスから妙高山までの絶景が広がっています。雪を戴いた山並みはボリュームもあって圧倒的な迫力で、つい見惚れてしまいます。やがて雪原に立つ木々が白く樹氷の様相を呈してきました。まだまだ見頃の樹氷を抜けて進むのが心地よく、雪山歩きの醍醐味を感じます。山頂部の森まではあと少し!