青森県のスキースノーボード製造会社「ブルーモリス」から、ちょっと面白いスノーギアが出ています。スノーブーツで手軽に楽しめる“歩くスキー”。雪に覆われた森をのんびり散策するのにピッタリの道具です。

■スノーブーツや冬用登山靴でも履ける“歩くスキー”

ブルーモリス製「SNOW HIKE」。足の甲と足首をストラップで固定する

 最近、ちょっと気になっている“歩くスキー”。“ネイチャースキー”などとも呼ばれ、かかとが上がるスキーを使って、雪の森を歩くスノーアクティビティのことだ。

 そんな私に「興味があるなら、一緒に歩くスキーで森に出かけない?」とお誘いをくれたのは、長野県信濃町を拠点に登山ガイドや自然ガイドをしている「晴ねえ」こと杉本晴美さん。私とは旧知のテレマークスキー仲間だ。

 道具は、晴ねえにレンタルをお願いした。青森のスキー製造会社・ブルーモリスが作っている「SNOW HIKE」というスキー。なんとスノーブーツや冬用登山靴などで履けるという。

 「BCクロカンよりも幅広く安定して、スノーシューより少し機動力が高い、っていう感じかな。ガンガン滑るような道具ではないけど、緩いアップダウンがある森を散策すると楽しいよ」という言葉に魅かれ、森へ連れて行ってもらうことにした。

スキー板に貼られたシールで歩行はラクラク

スキーの真ん中付近にシール(滑り止め)が取り付けられている。シール以外にステップソールのモデルもある

 1月初旬、信濃町の黒姫山麓で晴ねえと待ち合わせた。

 太めのショートスキーに、スノーボードのバインディングが付いている、というのが「SNOW HIKE」の第一印象。スキー板を裏返すと、板の中心付近にシール(滑り止め)が取り付けられていた。

友達からもらったソレルの中古スノーブーツ。これで滑れるのか?

 今回、私はスノーブーツを履いてきた。友人から譲ってもらったお古で、サイズは少し大きめ。本当はピッタリサイズがいいのだろうが……。スノーブーツに合わせてバインディングの長さを調節できたら、バンドでブーツを固定すれば準備OK!

 しっかり固定したとはいえ、スキーブーツに比べると、やはりホールド感はだいぶ低く、足首やスネはぐにゃぐにゃだ。本当にこれで大丈夫なのだろうか……?

 まずは平らな場所で歩いてみる。両脚のスキーを平行にして滑らせるように前に出していくのは、バックカントリースキーと同じで、すぐに要領を掴めた。ちょっと気になったのは、かかとを上げたときに軽く引き戻されるような感覚。どこかで経験したような……。あ、ウォークモードのないテレマークスキーだ! このかかとのテンションも、歩くうちにすぐに慣れて気にならなくなった。