秋になったのに、「大丈夫かな、日本は?」と思わず言いたくなるほどの気温の高い日も珍しくありません。季節は本当に冬に向かっているのでしょうか。
さて、秋の昆虫の主役と言えば「カマキリ」です。秋になると大きな体が目立つからでしょうか、秋の季語にもなっています。そんなカマキリの中で、前から一度見てみたかったものがいます。それが、日本で一番小さいカマキリ「ヒナカマキリ」です。暖地性のカマキリで、照葉樹(常緑広葉樹)の林床に多く生息するとのこと。首都圏では、温暖な三浦半島でよく見られるとされています。
筆者は、これまでに2度ほど当地に探しに行ったことがあるのですが、いずれも敗退。どこをどう探せばよいのかもわからず単に放浪して帰ってきた苦い経験があります。今回の探索で3度目の正直となるのでしょうか?
■新兵器「食器洗いかご」を導入!
3回目の挑戦ともなると、これまでと同じ過ちを繰り返すわけにはいきません。ネットで情報を収集したところ、食器洗いかごでヒナカマキリをゲットしたという動画を目にしました。落ち葉や落ち枝をザルに入れ、揺すってバットにふるい落とすというのです。これは、かなり有効な策のようです。早速100均で食器洗いかごセットを購入し、現地に向かいました。
ヒナカマキリは、照葉樹の落ち葉の下をすみかとしていて、なかなか目に見えるところには出てこないそうです。今までは、棒切れで落ち葉をどけるなどして探していましたが、今回は、そんなちまちましたことではなく、落ち葉をザルにごそっと入れて激しく揺すり、ふるい落とすという豪快な作戦となります。大きな成果を得られるような気がしてワクワクしてきます。
まず、照葉樹の落ち葉がたっぷりたまっている場所で、落ち葉を両手ですくってザルへ。それを揺すって落とすわけですから、かなり気合が入ります。横や縦に揺すり、落ち葉の裏などについているであろうヒナカマキリをバットに落とすのです。単にシャカシャカするというよりも、中華料理店の調理人のように手首の動きでチャーハンを炒めるようなイメージです。
しかし、落ちてくるのは森林性のゴキブリや小さな生物ばかり。新兵器の導入であっさりヒナカマキリを捕まえられるだろうと思っていただけに、気持ちが徐々に削れていきます。歩きながら立ち止まり食器洗いかごを振ること100回以上。3時間を経過する頃にはもうすっかり疲れ果てていました。