豊富な知識と経験を持ち、日々たくさんの登山&キャンプ道具と接しているアウトドアショップの店員さんに、いま注目の製品を紹介していただくシリーズ。今回は、石井スポーツ 登山本店の難波さんに「登山靴選び」をテーマに「ロングに売れてる登山靴」を教えていただきました。
■意外なロングセラーシューズが2つあった!
どんなジャンルの商品にも、意外に売れているアイテムや、思わぬロングセラーがあるだろうと思います。それは、登山靴も例外ではないはず……。
とはいうものの、本当にそういうシューズがあるんだろうかと、ちょっと不安に思いつつ、「意外に売れ続けているシューズってありますか?」と難波さんに尋ねてみたところ、「安心してください、ありますよ!」と心強いお返事。ロングな人気の登山靴を2モデル挙げてくれました。
それが、LA SPORTIVA(スポルティバ)の「ボルダー X ミッド GTX」と、AKU(アク)の「コネロ 3 GTX」という2モデルです。
■「柔軟性」「安定感」「フィット感」を兼ね備えたアプローチシューズ
まずは、スポルティバの「ボルダー X ミッド GTX」です。「これは、もともとはアプローチシューズで、クライミングする人が登りたい岩まで移動するときに履く靴なんです」(難波さん)と意外な用途を聞かされました。
アプローチシューズというのは、岩場でもしっかりとグリップが利くようなソールパターンになっているモデル。足首部分はミッドカットを採用して足首を動きやすくしているなど、柔軟に細かい動きができるように工夫されています。
また、靴ひもがつま先側の先端近くから細かく組まれているので、フィット感を調節しやすいメリットがあります。「岩場で歩くときは、ピッタリしているほうが歩きやすいので、これならしっかりと締められるんです」(難波さん)
■土と岩どちらの道にも対応しサポート力も高い
でも、ちょっと用途が限られたようなシューズが、どうしてロングセラーなんでしょうか。
「支持されている理由は、汎用性の高さだと思います。岩場だけではなく、土の道でもちゃんとグリップが利く、歩きやすいソールパターンになっています。また、ソールやアッパーには絶妙な剛性があるんです」と難波さん。限られた層にしか売れないように思えますが、実は、普通に登山をする人にも人気があるのです。
履き心地の良さも人気の秘密のようで、「形もすごくこだわって作られているので、フィット感も絶妙です。細かく通されている靴ひもは、グッと引っ張ると全体がギュッと締まるような作りになっています」(難波さん)
なんと発売されてから20年くらい経っているのに、代替わりすることなく売れ続けているというのは、それだけ多くの人に愛され続けている証ですね。取材中、近くにいた別のスタッフさんも「これ、いい靴なんですよ!」と絶賛していました。
■初心者から上級者まで幅広い層に人気が高い
もう少し特徴を見てみると、ソールのパターンは、前方は丸型になっていて、ここで岩をグリップします。「設置面積が広いから、ピタッと張り付くんです」(難波さん)。一方、かかと側は、ラグがしっかり深くて、溝が設けられているので、土の道でも小石などが詰まりにくく、泥はけもよくなっています。
また、このモデルは、アプローチシューズの中でもソールが硬めで、安定感が高いところも人気の秘密のようです。日帰りで岩場のあるところに行く人にもぴったりですし、アルプスなどのハードな場面でも自分でコントロールできる中・上級者にも向いています。
「アプローチシューズとして販売していますけど、初心者の方から、登山ガイドさんのような上級者の方まで幅広い層が購入されるんです。いろいろな人に長く履かれているモデルということでセレクトしました」(難波さん)