■なにはともあれ水の確保から

タンクのお掃除中。お風呂ではありません

 山で生活するには、なにをするにも水がいる。光岳小屋では、20分ほど下った場所に湧く水場から2段階に分けてポンプアップして、やっとのことで小屋に水を引いている。シーズン頭には毎年、20分先の水場まで上から順々にホースを繋いでいく作業から始める。結構、大掛かりな作業だ。町だと蛇口をひねれば水が出てくるけど、山では(特に稜線上の小屋では)水を得るまでにの道のりは長い。

 水場からホースが繋がったら、今度はその先を貯水タンクに繋ぐ。よし、これで水がくるぞ! と思うけど、まだまだ甘い。続いては、蛇口をひねった時に綺麗な水が出るようにタンクの中の掃除をする。

 掃除を終えて、やっと水を貯められるようになるのだけれど、ポンプアップするには大きな発電機を回さなければならない。光岳小屋には45kgと6kgの発電機が2台あるのだけど、ポンプアップに必要なのは大きい発電機を使っている(これ、壊れたらおしまいだよな……)。

 下のタンクに水が貯まったら、今度は上のタンクの番。そのあいだは、ずーっと発電機を回している。大きいから燃料もくう。高い水だ。

 そうして、やっと小屋に水がきた。どこの山小屋でも水がくる瞬間は嬉しい。

 さて、水を使って掃除や洗い物、やるぞ、やるぞ。