■夏に向けて観察のチャンス! 案外身近な水生昆虫たち

川のそばに住んでいると玄関先などにもやってくることがある「トビケラ」の仲間。“蛾(ガ)”にそっくりな見た目から嫌われることが多いようですが、羽の鱗粉もなくまったく無害な存在です。夜、蛾に混ざって自動販売機の明かりにも群がっていたりする(カゲロウも来ます)ので、ますます混同されやすいですね。

その幼虫はイモ虫のような姿で、これまた“気持ち悪い”かもしれません。しかしながら、長野県の南部、特に伊那谷周辺では「ざざ虫」として郷土食となっています。

名前が似ていてややこしいのですがカワゲラの仲間も種類が多いです。サイズも極小のものから、全長40mmを超える大型の種類も。飛んで来られると、ちょっとビックリするかも。

水生昆虫の幼虫は水中で暮らしているため、呼吸器官であるエラ(鰓)があります。魚のエラのイメージとは違って、ふさふさの毛のようなエラが、種類によって様々な場所に付いています。顔や胸周りだけでなく、脚やお尻に付いていたりします。なんだか奇妙ですね。きっとそこには何か理由があるのでしょうが、すね毛や脇毛のようなエラには少々びっくりさせられます。

水生昆虫たちは種類ごとに羽化のタイミングがあり、ほぼ一年中飛んでいますが、とくに観察しやすいのがこの時期です。カゲロウは英語で「mayfly」と言うくらいで、水生昆虫たちの活動が盛んになる季節です。極小の虫たちも興味を持って観察していると、その違いが見えてきておもしろいですよ。そういえば、蚊も水生昆虫ですね。彼らに悩まされる季節も始まります……。