■静寂の中に命と温もり

のんびりと佇む雷鳥

 雷鳥沢キャンプ地へ戻ると、雪原に張ったテントが待っていた。周りはただただ白と青の世界、風も穏やかで、テントの中はポカポカな温もり、心地よい眠気に包まれてそのまま昼寝。遠くで時折響く雷鳥の鳴き声が夢と現実の境界を溶かしていく。

 「雷鳥に会いたい!」 それも立山での楽しみだ。テントにいる時、猛禽類が雷鳥を連れ去る瞬間を見てしまい、自然界のリアルで残酷な美しさが記憶に焼きついた。翌日は天気が曇りと霧で視界が悪く、登山道のあちこちにぽてぽてと歩く雷鳥の姿があった。今日は安心して歩いているといった様子。岩陰から、雪の斜面から、まるで“雷鳥祭り”でも開催中なのかと思うほどだった。彼らののんびりとした佇まいと、愛らしい瞳とお尻に癒される。

■ハイカー女子の一杯“5杯目”

お勧めな贅沢な一杯

 今回は雪上テント泊、夕暮れと共に気温は下がる。

 静けさの中、湯を沸かしてそっと取り出したのは日本酒「津南醸造、清酒 GO POCKE VINO」野遊び用。湯煎で1分ほど温め、チタンのカップに注ぐ。一口飲むと白ワインのようなフルーティーな味わいが広がり、思わず目を閉じる。

日本酒「津南醸造、清酒 GO POCKE VINO」とクラフトビールも絶景

 贅沢とは何かと聞かれたらきっとこの一杯のことだと答えるだろう。お山で飲むお酒は格別だ。この野遊び用日本酒は小袋になっていて、嵩張らない、重くない、そのまま湯煎もできるし、凍らせてシャーベットでも楽しめる。登山に最適で、重いザックの中にこの一杯だけでも忍ばせて行きたい。