■見つけたのは変なアリ?

 公園の手すりを探していたら、アリのような生き物に出会いました。でも、ちょっとアリとは違う感じです。

大きさ、色、動きがアリそっくりなのですが、これはアリグモの仲間「ヤサアリグモ」

 よく見ると、顔の先が出っ張っているように見えます。これはアリグモの仲間「ヤサアリグモ」というクモで、ハエトリグモの仲間なのです。アリに擬態し、外敵から身を守っているそうです。アリグモの仲間も、とても特徴のある顔つきなので、なにかのキャラクターになりそうな感じです。

大きく発達した上顎(うわあご)。おもしろい顔つきですが、目を見るとやはりハエトリグモの仲間ということがわかります

■衝撃的な場面に遭遇!

 ダム湖の手すりで、3ミリほどの小さなハエトリグモを見つけました。オレンジ色の脚が特徴のカタオカハエトリです。美しい色彩のため人気のハエトリグモに初めて出会えた喜びで、ファインダーに集中していました。が、1枚シャッターを切った瞬間、カタオカハエトリが突然目の前から姿を消しました!

鮮やかなオレンジ色の脚で人気のカタオカハエトリ。が、次の瞬間……

 なんと後ろからやってきた体が倍以上もある大きな(といっても8ミリほどですが)ネコハエトリが、目にも止まらぬ速さで飛びかかり、カタオカハエトリを捕らえてしまったのです。

ハエトリグモがハエトリグモを食べる。自然界はやはり厳しいのですね

 あっという間の出来事に、私は、茫然とするしかありませんでした。ひょうきんな“レレレのおじさん”のような顔をしていながら、やはりクモはクモ。自分より小さな動く生物に本能で飛びついたのでしょう。

 ハエトリグモの観察適期は、秋にかけて長期間に及びます。読者の皆さんも、この美しく多様で興味深いハエトリグモを身近な公園などで探してみてはいかがでしょうか。きっと夢中になること間違いなしだと思います。

近づいて撮影していたらカメラのレンズに飛び乗ってきました。時には手にも乗ってくれます。とてもフレンドリーなクモなのです