ソールの角がグリップ力の目安

使い古したソールと比べると、新しいソールの角が立っているのがよくわかるだろう

 2つめのチェックポイントは、ソールの角があるかないか。ソールの山の深さを確認しがちだが、山の深さはブーツの使用目的によって元々浅めのものから深いものまで様々。山が残っていれば、一概にまだ使えるというわけではない。ソールの山の深さよりも、目安にすべきは「角」だ。

ソールの角が引っ掛かってグリップ力を生む。もしここが丸かったら、と想像してみよう

 ブーツの数だけ、実に多彩なソールパターンがある。しかし、どのパターンにも共通しているのが、ポイントの角を立ててあること。何を隠そうこの角の引っ掛かりこそが、ブーツのグリップ力を生む秘密である。

 つまり、この角が削れて丸まってくるとソールの引っ掛かりがなくなる=グリップ力が低下してしまう。使用頻度が高い方は、使用年数による劣化よりも、この角のあるなしを目安に買い替え時を判断しよう。もちろん、感覚的に滑るようになってきたと感じた時もタイミングだ。

上2つが新しいブーツ、下2つが数年使ったもの。比べてみると新品の角の立ち具合は一目瞭然だ

 ちなみに、ソールの寿命=登山靴の寿命ではない。大抵のモデルは各ブランドやショップが窓口となり、ソール交換に対応してくれる。値段はモデルにもよるが、大体1万前後はかかる。修理内容によっては、2万円近くかかることも覚悟しよう。また、とても手間と時間のかかる作業であり、対応できる職人の数が限られるので、申し込みから仕上がりまで数週間ほどかかる。

 愛着あるブーツだからとソール交換を申し込むか、それとも新しい相棒を探すのか。様々な要素を天秤にかけて判断したい。

汚れたままにしたり、ビニール袋や箱などに入れたまま保管するのも劣化の原因。正しいメンテ方法はまた別の機会に