2024年から富士山の入山料徴収をスタートした山梨県に続き、今年は静岡県でも条例によって入山料支払いが義務化された。手続きには専用アプリ「静岡県FUJI NAVI」を使う。5月9日から運用がスタートしたこのアプリを、山開きを前に(例年、山梨側は7月1日、静岡側は7月10日から)いち早く使ってみたのでレポートしよう。

■事前に登山者情報の登録、入山料の決済ができる

 「静岡県FUJI NAVI」とは、静岡県側からの富士山入山証を発行するために開発されたアプリだ。事前に登山者情報の登録、入山料の決済ができる。気になる入山料金は、山梨県と同じく4,000円に統一された。

人数と入山口、入山日を選んで登録する。選択可能なのは7月10日〜9月10日まで

 静岡県は独自の取り組みとして、富士登山前にルール&マナーの事前学習を義務付けている。登山当日に現地でレクチャーを受けることもできるが、このアプリを使えば事前学習がアプリ上で済み、支払いと登録が完了すると入山証(QRコード)が発行される。登山当日は、チェックポイントでこのQRコードを提示してリストバンドを受け取ってから登り始める仕組みだ。

当日、現地での登録も可能

 事前登録を忘れてしまった場合、現地でスマートフォンを使って同じ登録手続きを行うことになる。スマートフォンを持っていない場合は、現地でルール&マナーの事前学習を修了してから入山料を支払い、入山届を併せて提出。手続き完了後、リストバンドが交付されて登山ができるようになる。

■試しにアプリを使ってみよう

選べる言語は8つ。アジア地域からの利用者が多いことがうかがえる

 試しにこのアプリをダウンロードして開いてみた。

 まず、日本語、英語、中国語、韓国語など、8つの言語から使用するものを選ぶところから登録がスタート。日本人だけでなく、海外からの登山者も、このアプリで同じ手続きを求められるそうだ。

GPSで現在地の把握もできるマップ機能

 基本情報の登録が済むとホームページが現れる。メインコンテンツは、入山証取得手続き、マップ、お知らせ、マイページの4つ。マップはインフォメーションや救護所、山小屋の位置やリンクが埋め込まれた地形図で、GPSを活用した現在地確認機能も搭載しているとのこと。登山地図がない方には、計画を立てる時だけでなく、登山当日にも活用できる機能だろう。

 また、アプリの通知機能をオンにしておけば、気象情報のプッシュ配信も届くなど、入山証の登録以外にも役立つアプリに仕上がっていた。