首都圏では緊急事態宣言の延長が決まり、買い物に出ることすらままならない日々が続く。しかし、季節の移り変わりに、そんな事情はお構いなし。山では徐々に雪溶けが進み、春らしい陽気の日も増えてきている。

 「春夏物を見に行きたい! 買い物したい!」

 そんな我々のモヤモヤを少しでも解消するべく、北欧スウェーデン生まれのアウトドアブランド「ホグロフス」から画期的なサービスが登場した。その名も「VR(ヴァーチャルリアリティ)ストア」。最新技術を駆使して、ヴァーチャル空間上に実店舗を再現しようという試みである。

■特殊なカメラが実現するヴァーチャル世界

 サイトのURLをクリックしてみると見慣れた店内が画面に現れる。これは、原宿に実際にあるホグロフスの店舗じゃないか。

 一見するとなんの変哲もない店内画像に見えるが、床に記された白い丸や製品上にカラフルな丸が付けられているのがわかるだろうか。実は、この中にはいくつものギミックが隠されている。試しに床の丸印をクリックしてみよう。

 おお、丸印の場所まで歩いたように画像が動く! 続けてクリックすることで、まるで店内を歩き回っているかのような感覚が得られる。これは面白い。

 どこかで体感したことのあるこの感覚は、Googleのストリートビューと同じだ。それもそのはず、これは店内をGoogleストリートビューに使われたものと同じ最新の360°カメラで撮影して、ヴァーチャル空間上に実店舗を再現したものなのだ。

 出入り口の外には見慣れた明治通りの風景が広がっている。一方で、ご覧のようにスケスケの店舗全体を俯瞰してみることもできる。もちろん、実際にこんな角度からお店を見られることはない。現実とヴァーチャルが入り混り、どこまでが現実でどこからが作りものなのかの境界線が分からなくなり、不思議な感覚に包まれる。