時折小さな瀬(流れが早く水深が浅い場所)があったり、長くストレートに続く瀬があったりして楽しい。そこまで厄介な瀬もないので、初中級者には楽しい川下りとなるだろう。
浅い川ではあるが、所々にある淵はほんと見惚れてしまうくらいに美しい。そして、それを鑑賞するための極上のステージ(川原)もたくさんある。そうなってくるともう川を下っている場合じゃない。
川原での時間は川旅における最大の癒しタイムだ。川下りという行為は、誰もいない静かな川原に移動するための手段でしかない。時間をかけて凝った料理を作ってもよし、食事はシンプルに済ませて、釣りや潜り、はたまたただのんびりすることに時間をかけてもオッケーだ。
あとはもう、好きな場所で上陸して、最寄りのバス停から帰るのみ。僕の場合はすぐにはバスに乗らず、名も知らぬ集落をプラプラしたり、地元の人とこの土地の話をしたりする。この時間もまた楽しい。
上流域は自分のペースでのんびりと過ごすのがおすすめ。杉株がある蕪山(かぶらやま)は登山対象としておすすめの山なので、余裕があれば合わせ技で贅沢に楽しんでもいいだろう。
次回は比較的初心者でも楽しめる下流域をご紹介をしていきます。
*なお、この上流域と下流域に「あじさいセクション」と呼ばれる中流域があるのだが、ここは強烈な瀬がある激流区間なので上級者以外にはおすすめしません。また、掲載情報は著者が訪れた当時のものです。川の状況や交通情報は変わっている場合があります。あらかじめご了承ください。
<後編へ続く>