この川の美しさは若い頃から知っていたが、水深が浅く、岩も多いことから長年下るのは諦めていた。しかし、浅い川でも川下りが可能なパックラフト(空気注入式の船)の登場によって、僕の中で俄然アツい川となったのが、この板取川だ。川沿いにはバスが走っていて、スタートもゴールも思いのままに設定でき、自由度が高いのもいい。
中流域は危険箇所が多いため、今回は雰囲気のいい上流域、次回の記事で初中級者向けの下流域を紹介していく。
■宙に浮ける川!? としてSNSで話題に
板取川は長良川の支流の川で、岐阜県の関市と美濃市を流れている。名古屋駅から車で1時間半ほどで行ける上流域には多くのキャンプ場が点在し、夏は川遊びやBBQ、そして鮎釣りの川として多くの人が訪れている。
周辺には近年注目のスポットが多く誕生していて(というか発見されていて)、見る角度によってモネの絵画『睡蓮』に見える通称“モネの池”があったり、生え方が独特すぎると話題の“株杉の森”などがある。これらと絡めると、川旅はまたグッと楽しいものになるだろう。
さらに最近になって新たに注目されているのが “宙に浮く舟”という写真だ。正確には、川が透明すぎてボートが宙に浮いているように見えているわけだが、この写真がSNS上で話題を呼んだことで多くのメディアで紹介され、それを観た人がこのような写真を撮ろうとこの地を訪れている。