梅雨も明けて、「さあ、川の季節だ!」と気合が入っている人も多いだろう。しかしこの時期、川遊びや川旅をするにはいくつかの注意点がある。それは大きく2つ。「天候急変」と「釣り師とのバッティング」だ。
まだ川旅を始めて間もない人のために、この2点のポイントを簡単に解説していく。
■ゲリラ豪雨や雷に注意
近年、毎年のように異常気象が続き、従来の常識が通用しない状況になってきている。現に今年(2022年)に関しては、6月なのに各地で40℃を超える真夏日を観測し、早々と梅雨明けも発表されてしまった。去年にしても、6月よりも7月の方が長雨が続いたりして、梅雨明けした今年もまだまだどうなるかわからない状況だ。
このような不安定な天気の時期に気をつけたいのは、ゲリラ豪雨と雷だ。ゲリラ豪雨は急な増水はもちろん、渓谷部の川だと鉄砲水が起きる危険もある。鉄砲水とは、上流で降った雨で土砂が崩れ、それが天然のダムとなり、やがてそれが決壊して突然水位が上昇する洪水のこと。ものすごい雨が降ったのに、「あれ? 意外と増水してないな。ラッキー♪」って感じで川に入っていると、みるみるうちに水位が上昇して、気づいた時には大惨事、なんてことも十分ありえる。
鉄砲水には予兆があって、最初はやたらと葉っぱが流れてくることが多い。この時点で「おかしいな」と思ったら、とにかく安全で高い位置に移動をすること。やがてその葉っぱの量が多くなっていくと、いつの間にか水位がみるみる上がって川が濁り始める。一般的に鉄砲水は、「ドバッ」と一気に水が流れてくるようなイメージがあるが、実際は徐々に徐々に水位が上がっていき、気づかない間に取り返しのつかないことになっていることが多い。ゲリラ豪雨があった後は、たとえそのあと天候が回復しても川原泊(特に中洲など)は避けた方がいいだろう。
雷に関しては、川では「有無を言わさずヤバい状態」だと認識しておこう。川原にいれば木の下に避難することが多いだろうが、雷が落ちた時は逃げようがなく、水は電流を媒介して走らせるので本当に危険。とにかく天気予報で雷注意報が出ている時は、勇気を持って川下りの計画を中止し、現場でゴロゴロ音を聞いた時も即座に川から上がることができるように計画を立てておこう。