■芝生が泣いている

焚き火の熱で芝生が台無しになってしまう

 焚き火台を使っているからといって、安心してはいけない。とくに芝生の上では耐熱シートも併用しないと熱で枯れたり、燃えてしまう。焚き火台があったとしても、なるべく土や砂の上を選んで火を焚くのが望ましい。円形脱毛症のように芝が枯れた状態ができてしまうと、キャンプ場の景観も損なわれる。焚き火台を購入するなら、耐熱シートもセットで揃えること。 

落ち葉の上での焚き火はもっと危険

 落ち葉の上に直接、焚き火台を置くのはもってのほかだ。乾燥したシーズンなら、一発で延焼し火事になってしまう。焚き火台を置く前に、最低でも半径2m以上の落ち葉を掃いて、水を撒いておく。

 ボーイスカウトの間で昔から使われている名言をお借りして「来たときよりも美しく、残すものは感謝のみ」と言わせてほしい。キザに聞こえてしまうが、決して難しいことではなく、当たり前のことなので、ぜひとも守ってほしい。

 いまルールを守らない方々の尻拭いをしているのは、キャンプ場スタッフをはじめ、地元住民やボランティアの皆さんだ。いくらお金を払っているからといって、ルールを破ることは許されない。

 まだまだ言いたいことはあるが、これ以上、グダグダ言いたくない。あくまでも大多数の人はルールを守っていて、ほんの一部の人が迷惑をかけていることがニュースになり、騒がれていることを理解してほしい。

 どうか5年後、10年後に、再びこんな記事を書かせないでほしい。

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