“焚き火”とキーボードで打ち込むだけでも嫌気が差すほどの残暑が続いている。焚き火の記事を書くことさえ億劫になってしまい、せっかくの連載も足踏み状態だ。

 火の画像さえ見たくない。なので、今回はなるべく火を見ずに済む着火道具について紹介したい。これらがないと焚き火はなにも始まらない。火起こしは焚き火の成否を左右する。楽をとるか、それとも雰囲気を大事にするか。自分がなにを重視するのかをしっかり見極めて、道具を選ぶ参考にしていただきたい。

■着火の王道「使い捨てライター」

使い捨てのフリント式ライター

 焚き火マイスターと名乗らせていただいているが、点火は8割がた、ライターを使っている。理由は明確で、着火の過程には重きを置かず、さっさと焚き火を囲んで一杯、飲みたいからである。そうなるとライターで着火剤や焚き付けに点火すれば、効率が良く、着火の失敗が極めて減る。ただ「マイスター、ライターを使うんだ……」とがっかりされることもあるが、気にしないようにしている。

喫煙者の私にとっては必需品

 ライターの種類は、カチカチする電子式とダイヤル状になったヤスリを回して発火石をすり合わせ発火させるフリント式がある。気圧や寒さ、風に弱い電子式だと冬場はなかなか着火しないので、ライターはフリント式に限る。