正直、キャンプをする人全員が、凝った料理をしなくてもいいと思う。無理にすることがストレスになるくらいなら、カップラーメンやキャンプ場近くの飲食店で食事を済ませてしまったほうが、キャンプ時間を有意義に過ごせることもあるはずだ。「1、2食、抜いたところで人は生きていけるので(笑)、その時間は代わりに焚き火を存分に楽しむ」という屈強なキャンパーさんの話も聞いたことがある。

 キャンプの醍醐味の重きをどこに置くかは人それぞれ。私はできればなにもしたくない派なので、料理が好きな人をキャンプに誘い、出してもらった料理に「美味い、美味い」と言って口だけを動かすようにしている。

 ただ焚き火マイスターという仕事柄、なにか焚き火を使った料理を求められることが多々ある。料理は人並みにならできるつもりだが、表に出るからには、なにか特別な料理を求められる。

 じつは、そうした時に使っている数少ないレシピがあり、今回はそれを2点ほどご紹介したい。「あいつ、またコレ作ってるのかよ」と言われるのは承知で、お教えします。

■カボチャがマロン風のデザートに!?

種をスプーンでしっかり取り除く

 まずは「カボチャのホイル焼き」を紹介する。カボチャとハチミツをホイルで包み、焚き火に入れるだけの簡単レシピだ。一応、作り方の手順をば。

 まず、カボチャとハチミツを用意し、カボチャの種をスプーンで取り除く。写真は1/4だが、できれば半分にカットされたものだと、ハチミツがこぼれず使いやすい。

種が入っていた空洞にハチミツを注ぐ
溢れるギリギリまで入れたほうが、味が染みわたる

 種を取り除いてできた空洞にハチミツをたっぷりと注ぐ。量は甘さのお好み次第だが、私はたっぷりギリギリまで入れた方が、味が染み渡るので好み。

アルミホイルで包む。高温になるとアルミホイルは穴が開きます

 続いて、ハチミツをこぼさないようにアルミホイルで全体を包む。2重、3重にした方が、アルミホイルが破ける心配がない。キャンプ用として市販されている厚手のアルミホイルも穴が開きづらいのでおすすめ。

焚き火に投入。炎が当たるところだと一気に丸焦げになることがあるので、隅に置いてじっくり熱していく

 あとは、炎が直接当たらない焚き火の端に置いて、じっくりと遠火で火を通していく。熱量によるが約20~30分で出来上がり。指で押すと硬い皮が柔らかくなったら出来上がりの目安だ。

アルミホイルを外せば完成。そのままスプーンですくえるほど柔らかい

 トッピングとしてバニラアイスやシナモンを添えれば、見栄えも味もグレードアップする。

 カボチャはBBQの脇役食材としてよく使われるが、丸焦げになって無残な姿になっているのをよく見かける。この料理なら、デザートとして堂々の主役を張れるはずだ。