■予備日が必要!
「予備日」という考え方を知っている登山者は多いだろう。予備日があれば、入山中、不測の事態が起きたとしても、それを計画のバッファの中に収めることができ、無事に下山できる可能性が高まる。この8月の遭難では「単独で縦走中、転倒防止のため岩に手をついた際に背中と左足首を負傷。歩行可能だが下山が遅くなるという理由で救助要請」という事例が気になった。
これから秋以降は、日没がはやくなり行動時間が限られるため、登山計画に予備日を活用したい
●予備日が必要な理由
・行程が長くなればなるほど、不確定要素(自分、仲間、天気等)が増えるため
・予備日がないことによって、下山を急ぐことなった場合、遭難に繋がりやすくなる
・コロナ禍により、私たち登山者の体力、登山力は落ちているため、以前より時間がかかる
■2020年のコロナ禍の秋、行楽期の遭難件数は増加した
過去3年間の秋の遭難件数のグラフをみると、コロナ禍の2020年は9月から11月にかけて、右肩上がりに増えているのがわかる。通常は紅葉シーズンが終わると、徐々に山から人が減っていく。10月中旬から11月かけ朝晩の冷え込みが厳しくなると、雪や氷の判断も難しくなり山は静かになる。ところが、昨年はGoToトラベル事業等の影響もあると思われるが、11月は30件、という結果だ。
山梨県は関東からの入山者が多いので、今後、緊急事態宣言が明けた場合、天気のよい週末は、遭難が増えることが考えられる。特にシルバーウイークの登山を計画中の方は、自分とメンバーの準備(主に体力)が予定している山に合っているのか、もう一度考えたい。