■最終日の予定変更! 悪天候を避けて下山

今回は登頂を諦めた西鎌尾根と槍ヶ岳

 当初の予定は室堂からスタートし、最後の槍ヶ岳山荘から下山まで5泊6日の行程だったが、最終日の天気が悪天候の予報だった。山の中にいても天気が確認できる便利な世の中なので、随時天気をチェックしながら進んでいたが、予報が良い方向に変わる気配はなかった。そのため予定を変更し、西鎌尾根から登る槍ヶ岳をキャンセルし、双六岳から大ノマ乗越経由で新穂高温泉へ1日早く下山することにした。

 5日目は距離は長いが基本的に下りなので、朝はゆっくり7時に出発。ちょうど雪が緩んだ大ノマ乗越の大斜面を滑り、アプローチシューズに履き替え長い林道を歩く。スキー装備を加えた重いザックが肩に食い込んでいくが、12時過ぎに新穂高温泉に到着。目標の槍ヶ岳には登れなかったものの、悪天候に捕まることもなく充実のスキーツーリングを楽しむことができた。

 高い能力や技術に加え、天候やその判断も重要になる日本オートルート。予定のルートや行程に縛られることなく、状況に合わせて予定を変えていくことでより安全な山行を行うことができる。山は逃げないので、槍ヶ岳へはまたの機会にチャレンジしたい。