昨年末からあれほど続いていた降雪も小康状態、一週間ほど暖かく春めいた日が続いていました。人気のある雪山は積雪量こそあるもののトラックだらけ。パウダースノーは望むべくもないような状況でした(2025年1月28日現在)。

 そんななか訪れたのは、長野、新潟の県境となる関田山脈の中心的な存在である鍋倉山です。標高は1,288.8m。ロングトレイルとして名を馳せる「信越トレイル」の一部でもあり、冬は豊かなブナの森を登って滑るバックカントリースキーが楽しめる場所としても人気を集めている山です。

■バックカントリースキー人気の、鍋倉山

「関田峠」へと続く道は集落の端で除雪が終わります。民家もありますので、マナーを守って駐車したいところです

 長野県北部、飯山市「温井(ぬくい)」集落の除雪の終点に車を停めました。当日はすでに10台ほど駐車していました。しばらくまとまった降雪もなく、数日間昇温した後なので空いているかと思っていましたが、鍋倉山の人気の高さが伺えます。

 しばらくは林道を辿りつつ、登りやすいところはショートカットして進みます。「田茂木池」周辺は広い平らで、一面に白い雪原が広がっていました。視界が悪いとき、とくに下り(滑走)ではトラックがないと迷いやすいところ。沢地形もあり、案外複雑だったりもします。

※降雪後は除雪が入ります。温井の集落の方々の迷惑にならないような配慮が必要です。また、ルート途中の私有地には入らないように。詳しくは、「鍋倉山周辺のスノーフィールドが永続的に楽しめるように」という理念のもと地元有志たちによって立ち上げられた、“BC鍋倉フィールド(https://bcnf.jp)”に駐車マナーや鍋倉山についての情報が記載されています。

■尾根ルートと沢ルート、状況をみて選ぶライン取り

「田茂木池」周辺は平らな雪原が広がっています

 夏の一般的な登山とは違い、バックカントリー(山スキー)のルートは目的や状況に応じて選ぶものです。今回は「鍋倉杉尾根」に乗り上げる尾根ルートで登り、滑走も上部は同じ尾根を辿って、950mあたりから北東斜面を落としました。尾根上までは地形を見極めながら極力傾斜の緩いラインで登りますが、何箇所か急な斜面を登行することになりますので、十分な配慮が必要です。

 他に「西ノ沢」ルートも多くの人が利用しているようです。沢に沿うように登るルートですので、雪の状況を見て判断した方がいいでしょう。春、「関田峠」へ向かう林道の除雪が進んでからはこちらがメインになります。他に「森太郎覗き尾根」など。