■遭難件数より遭難者が多くなるのはなぜ?
6月の単独と複数の割合を見てみると、単独10名、複数15名となった。6月は、感染状況が落ち着き、好天にも恵まれ、複数で集まりやすくなったことも理由として挙げられるだろう。
遭難件数より遭難者が多くなるのは、複数名のグループごと(パーティー全員が)下山ができなくなる場合だ。その要因(態様別)は道迷いが主だ。今月は、その他(悪天候)で身動きがとれず救助要請された件もあった。件数と人数の関係は以下となる。
・道迷い3件、遭難者9名。
・その他(悪天候)1件、遭難者2名。
以上、4件の遭難に11名が関わる結果となった。
繰り返しになるが、たとえ複数であっても道迷いに起因する遭難事故が発生している。夏山シーズンがいよいよ本格化する。登山の基本に立ち帰り、技術の習得と共に慎重な判断・行動が事故防止につながるのではないだろうか。