■遭難件数より遭難者が多くなるのはなぜ?

山岳遭難発生状況(救助の結果)。発生件数18件、遭難者数25名、死亡0名、負傷者9名(軽傷2件・重症7件)、行方不明0名、無事救助16名『山梨県警発表、2022年6月1日~6月30日』

 6月の単独と複数の割合を見てみると、単独10名、複数15名となった。6月は、感染状況が落ち着き、好天にも恵まれ、複数で集まりやすくなったことも理由として挙げられるだろう。

 遭難件数より遭難者が多くなるのは、複数名のグループごと(パーティー全員が)下山ができなくなる場合だ。その要因(態様別)は道迷いが主だ。今月は、その他(悪天候)で身動きがとれず救助要請された件もあった。件数と人数の関係は以下となる。

 ・道迷い3件、遭難者9名。
 ・その他(悪天候)1件、遭難者2名。

 以上、4件の遭難に11名が関わる結果となった。

 繰り返しになるが、たとえ複数であっても道迷いに起因する遭難事故が発生している。夏山シーズンがいよいよ本格化する。登山の基本に立ち帰り、技術の習得と共に慎重な判断・行動が事故防止につながるのではないだろうか。