■曲輪の一角に隠れた遺構を発見!
縄張図では、煙硝の段の南と東の斜面にも曲輪が並んでいるが、わかりやすいアクセスルートが見つけられず。先ほどの分岐から西へ。少し歩くと、尾根がくぼんだ鞍部に出た。侵入した敵を左右の高所から城兵が狙い撃ちできる。「敵をここに誘い込もう」という築城者の戦略が読み取れる(ような気がする)。現在は神社が建てられた静かな空間だ。
鞍部の先にはスロープ状の幅の狭い坂道。登った先が「太鼓の段」という曲輪だ。
「虎口にしてはインパクトが薄いな……」と思いながら進むと、曲輪の入口にかすかな石垣。ちょっとだけテンションが上がる。にしても、これは夏に訪れていたら完全に埋もれていただろう。やはり山城は、晩秋から春の間に行くべきだ(訪問時は3月下旬)。
※虎口(こぐち):曲輪の入口部分を狭くしたり、屈曲させたりして侵入を防ぐ構造
城の南に半島のように突き出した、二段並んだ曲輪が太鼓の段だ。南と東に眺望が開けている。山の上だがスペースは広く、十分な兵力を置けたはず。
さらに太鼓の段の北の木立の中に、風化しつつある土塁も発見した。これまた、夏だったら気づかなかったかも。土塁の向こうは急斜面だ。
ここまででも見どころはバリエーション豊富だったが、メインはまだまだこれから。後編では、いよいよ山頂近くにある本丸や二の丸を攻めてゆく。そして、予期しないところで「頭崎城の本気」を発見することになる──。
●【MAP】頭崎城跡(広島県東広島市)